声のかけ方でこどもを意のままに操る母の知恵

物騒が過ぎるけど、取り入れる前と後では雲泥の差なので、あえてこのタイトルでいきます。
このノートの内容を正しく取り入れた正式なタイトルとしては下記です。

お話ができるようになったこどもの対応は応用行動分析学でだいたいのことが解決できそう

です。応用行動分析はABAという略語でも呼ばれています。

わたしは本などを何冊も読み、日々研究をしている……というわけじゃないので、感想文と本を読んで、我が家では実践していることのご紹介と思って読んでください。
(お詳しい方の訂正のご提案、間違った内容のご指摘、歓迎いたします。)

ABAってなに?

ある子供と親の行動を例にとって説明します。

おもちゃが欲しい→騒ぐ→静かにしてほしくて親が根負けし、おもちゃを買う

という流れを例にとります。
この場合、おもちゃが欲しいとき、騒いだら親がおもちゃを買ってくれたので、騒げばおもちゃを買ってもらえる、と思うようになります。
そして、おもちゃが欲しいとき、この行動を繰り返すようになります。

これを

おもちゃ欲しい→騒ぐ→親はおもちゃを買わず、その場を子供と立ち去る

という対応に変えます。
すると、おもちゃは買ってもらえず、おもちゃ売り場からも立ち去らなければならなくなります。
もしかしたら、売り場にあるかもしれない、試遊のおもちゃからも、子供は遠ざけられてしまいますね。子供からしたら、おもちゃが欲しくて騒ぐことは、自分にとってマイナスな出来事につながると学習します。
この対応に変えた直後は、もっと激しく騒ぎますが、騒いでも状況が変わらないことがわかれば騒がなくなるそうです。騒いでも、おもちゃを買ってもらえない、と言うことを繰り返し体験し続けることで、だんだん騒ぐ行動自体が無くなっていくそうです。

ABAは気持ちだとか、こころだとか、を複雑にとらえるのではなく、見えている状況が全て、という捉え方をします。

また、その見えた状況から、相手側のメリット、デメリットを見出し、対応を変えることで、問題行動を消失させたり、モチベーションアップにつなげていきます。

ビデオを録画していれば、上記にある2種の3ステップは全ての行動を記録することができます。第三者から見てもわかる要素でなんとかできる、というのはだいぶ大きいんじゃないかなと思います。

なんでABAに至ったのか?

ABAは認知症患者や発達障害児、自閉症児などのケアや対応に用いられることが多いようです。
うちのこどもは特にそういった診断のおりているわけではないのですが、扱いが難しい時期がこれまで何度かありました。さらに言えば、小学生に上がったタイミングでグッと扱いが難しくなったのをきっかけに、家での対応についてなど、改めて考えるようになりました。
その結果、たどり着いたのがABAでした。

どんどんおおきくなっていくにつれて、お口も達者になっていくこどもに宿題をやらせたり、言うことを聞かせる上で、なんかもう思いのまま操れるのではってくらい、効果が出るようになったので、特に障害などの兆候がないお子さんの親御さんにも是非興味を持ってもらいたいです。

ただ、ABAを取り入れた対応が自然に出来るようになるまで、半年くらいかかりました。個人差もあるかと思いますし難しかったけど、すごくよく効くので、ご興味を持たれた方は本などもぜひ読んでみてほしいです。

学校などを通じて区が配ってくれるTips本ってありますよね。離乳食や防犯など、いろんな内容のものが配られます。あのレベルで配れば、平和になる家庭いっぱいあると思っています。

ABAを取り入れた我と、うちの児童の実践内容

子供をどんどん褒めろみたいな流れあるじゃないですか。いいところを見つけて褒めて伸ばすっていうやつ。
学校や園の先生も、顔を合わせれば最近良かったところを報告してくれることが最近は多いと思うのですが、いかがですか?

これもABAを取り入れていて、褒められたり、ご褒美的なものを与えられると、またそれを求めて、その行動を繰り返すようになるんですね。

私自身が子供の頃、褒められたくて勉強したりするタイプではなく、自分の中の達成感を味わいたくてやってるタイプだったので、最初は本当にこどもの褒め方がわかりませんでした。
しかも大してできるようになったわけでもないように感じていたので、棒読みで「そっかー頑張ったねー」となんとか堪えて、褒める言葉をかけていました。ほんと白々しさしかなかった。

でも、最近はできたところまでを褒めるでいいんだな、と気づきました。ここまでできてほしいけど、まだこれだけしかできない。まだできないことではなく、ここまではなんとかできたことに目を向けることで、うまく褒めることができるようになりました。
この辺りからエンジンがかかり、かなり母子の関係性も改善されたように思います。

できたところまでを褒める、というのもスモールステップといって、ABAではとても大事です。
本人が難なくクリアできるレベルからスタートし、できたことを褒めてやることで、遠くにある目標になかなかたどり着けず途方にくれ、諦めてしまうことを防ぎ、やる気を引き出せます。

ピアノの練習における実践

例えば何か練習していることがあったとします。ここではピアノ教室のことを例にしましょうか。

まず、最初の頃は練習したことを褒めます。言われてやった、自主的にやった、状況色々あると思いますが、そのことも取り入れて褒めます。自分からその気になったなんてえらい!ちゃんと頑張ってやったのすごい!などです。
練習内容は今は置いておきます。まずは、練習すると褒められる、とインプットします。

練習したことを褒めることで、練習するようになったら、いよいよ練習内容を褒めます。
譜面を指差しながら、ここ上手に弾けてたね!とか、全然上手じゃなくても、最後に弾いたとき、すごく雰囲気出ていたな!など、言ってあげることで頑張る気持ちが出てきます。
繰り返しやってもできない部分でも、「惜しかったね〜でも繰り返せばきっといつかはできるようになるよ、この音符までは上手に弾けたもんね!」と、できたところまでをちゃんと褒めます。
練習が面倒になってきた、雑になってきたなどの様子が見られたら、切り上げても良いと思うのですが、発表会などを控えている場合にはそうもいきません。
そういうときには、「いい感じになってきたね〜〜もう一回聴きたいな〜〜」とか、「心配で心配で、レッスンでちゃんとできるかどうしても気になっちゃうから、大丈夫だってところを見せて!」と、とにかくもう一回自分に聞かせてほしい、とこどもにお願いする形で伝えてみます。
ここに至るまでの間、家で練習を見てくれる人は、ずっと練習を聞いて褒めちぎってくれていたわけです。絶対に褒めてくれるとこどもは頭の片隅にあるので、仕方ないな〜という気持ちでやってくれます。そして、弾いてくれたら、褒めます。ここまでできたね、ちゃんと曲の速さは守ろうとしてたね、子供ができていたところをよく見て、認めてあげます。

以前は楽譜のここまで間違えずできたら終わりにしよう、みたいな目標を立てて、できないところを繰り返し、そこまではしっかりやらせるスタイルを取っていました。
結果、練習も嫌がるようになり、私との練習も拒絶するようになりました。
親の対応が変わったら、この通り見違えるようになってしまいました……。子が悪かったんじゃない、親が悪かったんだ……と今は思います。

また、こんな感じのアプローチに加え、少しだけゲームの時間をのばすルールを敷いて、練習させています。
発表会控えている時期のみの、特別ルールです。

子供のご褒美タイムを取り込む

うちのこどもはゲームとプール教室をご褒美タイムだと思っている節があり、体育は嫌で休みたいけど、プールは行きたい、といいだすことがありました。
そんなときは、体育ができない子をプールには連れていけないなぁ、体育するだけの元気がないのに、プールに行っちゃったら、ぐったりして病気になっちゃうんじゃない?と言ったら、体育を嫌がる様子はだいぶ減りました。

これも

体育を休む→体育をやる元気がないからプールに行けない→体育に参加する

という感じでプール教室をエサにした例です。
(言い方が悪いけど、ほんとにそういうものでうちはよく釣れる……性格もあると思うのですが、ほんと釣れる子は釣れると思います)

宿題や明日の準備をする前に、お子さんのご褒美タイムを与えてはいませんか?
やるべきことをやってからにしよう、とか、何かをすることで何かを得られるようにすると、意外と食いついて、自分からなんでもするようになります。

また、毎日のルールを貼り出しておくといいです。
我が家では、

● 宿題や明日の準備をしたらゲームしても良い● 具合が悪い日はゲームなし● 疲れていてすぐ宿題や明日の準備に取りかかれないときは休憩する● 休憩中にやっていいことはアレとソレ

みたいなことが貼ってあります。言った言わない論にならないし、なったときも貼り紙を見せればいいので大体丸く収まります。
ここで大事なのは、書いていないことは要求してはいけない、ということと、ルールは本人と相談の上で決める、ということです。
信頼関係構築や、本人ができるレベル設定をする必要があるので、無理なレベル設定を押し付けず、子供ができると思ってるレベルから始めます。
また、書いていなかったことについては、今回はルールの中にないから許すけど、ルールとして追加をしましょう、と叱るのではなく、次の防止対策につなげていきます。

うちは貼り紙の他に、タスク表を作りました。「お母さんがあれこれ言うから嫌になった」というので、自分で帰宅後のタスクを管理させてます。
ホワイトボードに、まだ、やった、今日はなしの3エリアを作り、やることが書いてある磁石を適切なエリアに動かすタイプのものです。
タスク表があってもよく漏れることは、やること磁石を増やしてあげると大体解決します。

本のご紹介

最後に読んだ本のご紹介です。

ちなみに、アフェリエイトは先日審査に落ちたので、わたしには1円も入りません……そう言うのが嫌な方も安心していただければです。

発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ (健康ライブラリー)

ABAに興味を持ち、ベストセラーだったので選びました。イラストがたくさんあってわかりやすいのですが、幼児を例にした解説が多いので、小学生相手の場合にはどうしたらいいか、考えながら取り入れています。どっちかというと #育児 タグ向けかもしれないです。

メリットの法則 行動分析学・実践編 (集英社新書)

よりABAを理解したくて読んでみた本です。実践例に大人や小学生も含まれており、また、細かな解説もあるので、ABAの考え方そのものがなんとなく掴めます。1冊目に読んでしまうとピンとこないかもしれません。


もうほんと全保護者に教えたい。
なお、「メリットの法則」については、基礎編的な位置付けとして、

行動分析学入門 ―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

という本があります。著者は別ですが、タイトルをつける際に、こちらの本の著者に許可取ったうえで、この本を基礎編、自分の本を実践編と位置付けた……というようなあとがきがあったので、余裕があればこちらも読んでみようと思っています。


自分が育った時と全然違っていて戸惑ってる方も多いと思うのですが、今の考え方はこうなんだ!と理解を深められるので、戸惑いがある方にこそ是非オススメしたいですね……。

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