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NoMaps釧路根室からみる女性起業

あけましておめでとうございます。という時期も過ぎるくらい年が明けて経ってしまいました。むしろ「新成人の皆様、おめでとうございます!」という挨拶が適切(笑)
去年はnoteを書く暇もないというくらい色々な場所へ出かけ、インプットを多くできた2022年でした。今年は実行に移す年、アウトプットをより多くできるように自分自身が挑戦する年にしようと思っています。
本年もどうぞよろしくお願いします。

さて、今年1発目のnoteは、2022年11月15日〜11月17日、中標津の町中で第4回目となるNoMaps釧路根室2022から感じた、「女性起業について」になります。年末からしたためておりました。

NoMaps釧路根室2022

今回は初の中標津会場。NoMaps釧路根室といいながら、3回目まで釧路での開催だったので、このイベントの副実行委員長として根室エリアで開催が実現できたのは率直に嬉しかったです。

高校生ビジネスコンペティション

NoMaps釧路根室は第1回目から高校生のビジネスコンペティションを開始しています。道東の高校に参加していただき、地域に特化したビジネスアイディアをピッチしてもらう形で行っています。
また、コロナ以前はOpen Network Lab(Onlabオンラボ)北海道の山崎さんに事業計画の書き方などを直々にレクチャーしてもらうワークショップなども行っていたのですが、コロナ禍になってからはオンライン配信で学んでもらう形に変更したりしながらも継続しています。
年々参加校も増え、今年は久々のリアル開催となったのですが、11校25チーム(うちオンライン参加もあり)が会場で10分間のプレゼンを行いました。応募チーム数が多く、校内選考、一次選考を通ってきたチームですので、たくさんの良いアイディアが出てきて、素晴らしかったです。

優勝は厚岸翔洋高校

これだけ多くの高校生が地域の課題を考え、新たなサービスを考え発表してくれるだけでも、地域にとって宝です。今後はビジネス化に向けたサポートについても、NoMaps釧路根室でしっかりと考えていきたいなと思います。

当日の様子はTwitterのまとめでチェック

2日目、3日目はカンファレンスが合わせて9日開催されました。
どれも興味深い内容で、一つ一つについて説明をしたいところなのですが、当日の実況ツイートをまとめましたのでご覧ください。

たおやかな女性たちのセッションに注目!これからの時代における女性の起業について

道東エリアで活躍する女性たちです

今回特に書きたいのは、根室エリアの女性たちだけのトークセッションについてです。
このセッションは、ビジネスシーンにおけるホモソーシャル社会に対するアンチテーゼ的なセッションとなったのでは!?と感じたからです。
それは私が女性だということもありますが、最終セッションの女性だけのカンファレンスに非常に興味を持っておりました。
SNSに流れてくる、ビジネス系のイベントの登壇者は男性が多く、ビジネスカンファレンスなど、女性が登壇する機会が少ないのかなあと最近特に感じていました。女性の姿を発見しても、司会やモデレーターにとしてだったりで、どこか"添えられた華 "のように見えてしまいます。

そんな中、こちらのセッションは"地域で活躍する、女性"で構成されており、このセッションをセッティングしたNoMaps釧路根室がこれだけでもイケてるイベントだな!と誇らしく思いました。

モデレーターはDesign Notsukeの和田さん。

美活塾 田中郁子さん

パネラー1人目は、羅臼で長年地域の活動を続けている田中郁子さん。浜のお母さんとしてお魚を通した子供達への食育、また三味線や唄の芸事もこなし、そしてアクティブに「久々にスキーが滑りたいな」と自宅敷地でスキーができるようにして滑っちゃうなど、土地を最大限に活かした生活と、それを伝承するように地域の女性とともに活動している先輩でした。とても生き生きと素敵な年齢を重ねているのがよく伝わりました。

美活塾は、本当に美しく楽しく生き生きとした生き方そのもの!

Nemuro Starit Local Guide Amutoki 齋藤智美さん

パネラー2人目は埼玉から標津に移住をしてきた齋藤智美さん。標津に来るまでに、埼玉県生まれ、震災ボランティアとして岩手県、語学留学でニュージーランドに住んだという4つの拠点を経験した上で、結婚を機に標津に移住してきたという経緯です。
彼女は「よそもの視点」でこの標津の"鮭とともに生きる歴史"に注目し、『根室海峡ローカルガイド amutoki』を立ち上げ、地元の魅力を地域ガイドとして伝える活動をされています。

「鮭の聖地」の物語。素敵な表現ですね

地元の人にとって当たり前のことが、彼女にとっては「全てがワクワクする対象」となっており、彼女にとっての新しい文化・歴史の視点で地域の魅力を地元の人にも知ってもらい広げ伝える活動を楽しそうに語る齋藤さんが、とっても美しく素敵で温かな気持ちにさせてくれました。

鈴木干肉店 鈴木ももこさん

パネラー3人目は、鈴木干肉店の鈴木ももこさんです。
3人のパネラーの中でも、特に鈴木さんの起業ストーリーは女性のしなやかな起業としての参考にとてもなりました。
鈴木さんの起業のきっかけは、パートナーである夫氏がハンターで、命をいただくということで鹿肉加工を自身でおこなっていたことがスタートです。
当初は自宅でたべていたけれど一頭から取れる鹿肉の量は家庭では多すぎ、友人知人に配ったりしていたとのこと。その見返りで様々なお返しがくるようになり高い評判となっていったため、商品化をして鈴木干肉店の起業に至ったとのこと。この際に町の創業支援などを利用したことで、しっかりとサポートしてもらい起業ができたとお話しされていました。

干し肉とは、エゾ鹿肉ジャーキーです

別海町のふるさと納税返礼品にもなっています。

鈴木さんは別海町に移住した方ですが、馬が好きすぎて馬と生活できる土地を求めての移住とのこと。素敵な生き方に感銘を受けました。

暖炉があるリビング。馬や犬との生活。

地域が賑わう、地域活性の本質

今回登壇していただいた女性起業家の皆様は、Design Notsukeの和田さんがモデレーター初体験とおっしゃっていたのをはじめ、普段からいくつもスピーカーとして登壇されている方達ではなかったと思います。ですので、有名なスピーカーの方のようなテンポの良いトークセッションとは違い、それぞれがやっていることをそれぞれの語り口調でシンプルにありのままを伝えてくれる、そんな温かなセッションでした。
「地域のことを愚直に、そしてやるべきことをやって楽しんでいるだけよ」という軽やかな姿勢で楽しむ姿が伝わり、この会場にいた多くの方が共感した内容でした。
誰一人として無理をしている働き方ではなく、生活の中に沿った起業と働き方があり、地域ならではの、"当たり前に横たわる魅力"を引き出し"ビジネス"に変えていました。その「小さな起業」が増えることが地域にとって活性化の原点になるんだと納得しました。また、自分のベースである釧路とはまた違う、根室地域の文化歴史に触れることができ、改めて道東の広さと可能性を感じた3日間でした。

2023年NoMaps釧路根室はさらに進化します!

2020年にuni'queの若宮さんの「ジェンダーギャップなイベントの登壇をお断りすることにしました。」という記事がバズりました。

登壇者に女性が少ない問題は、すでに課題として捉えたNoMaps事務局からも共有をもらっています。実のところ全体的に運営スタッフにも女性が少ない傾向もあるので、こういった点についても考え、NoMapsとNoMaps釧路根室の連携を強化し、ジェンダーにかかわらずこの課題の根っこにある登壇者の偏り問題についても、2023年は積極的に議論していきたいと思います!


様々な議論の場所は、釧路市にある共創の場「港まちベース 946BANYA」をぜひご利用ください!


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