おせっかいおばさんのお話
今日はリモートワーク予定なので、少しゆっくり保育園に送って行った。
途中、トボトボと歩く女子中学生を見かけて、こんな時間なのに遅いなって思った。
保育園に息子を送り届けた後もまた彼女とすれ違った。
自転車でバッテリーが1%だったから電源をオフにして走っていたんだけど、やっぱり彼女のことが気になって、1%のバッテリーをONにして彼女のところに走ってみた!
彼女を見つけて「いきなり話しかけてもいいかな?どうかな?」って一瞬迷ったけど、トボトボ歩く彼女が変なおばさんが話しかけてきたぞと気がまぎれるのもよしと思い、思い切って「おはよう」と声をかけてみた。
びっくりしてこちらをみたけれど、「おはようございます」としっかり挨拶してくれた彼女ときっと話をできる!と思い、「どうしたの?具合が悪いの?のんびり歩いてるからちょっと気になって」と切り出してみた。
そしたら、すぐに「いえ、具合は悪くないです。」と返事が来た。
ここからは自転車のペースを合わせながら、色々と彼女と話をしながら歩いた。
私「学校に行きたくないの?」
彼女「はい。あまり行きたくなくて。」
私「お友達がいやだったり?」
彼女「いや、友達はいやじゃないです」
私「それはよかった。安心した。それじゃあどうして?」
彼女「実は合わない先生がいて・・・」
聞けば、怒鳴る先生がいて、その先生のことがとても嫌らしい。
ちょっとした忘れ物とか、そういうことですぐに声を荒げるらしい。
そこから、彼女がどうして学校に行きたくないのかとか色々と話をしながら、中学校の入り口まで一緒に歩いた。
「そういうの嫌だよね」「自分が怒られるのも、友達が怒鳴られるのを聞くのも嫌だよね」と言ったら彼女もうんうんと頷いていた。
共感したり自分の話をしながら、お母さんには相談した?と聞いたら、言ったけど特に印象に残る返答がなかったと彼女が言った。
それを聞いて、冷たい母を想像するのではなく、きっと彼女の問題が母親には伝わっていないのかも?とここからは自分が母だったらこうしてもらいたいという希望を話した。
私も学生の時に論理的に反論したら机ごと蹴り飛ばされた先生がいたこと、私にも娘がいること、大人の世界には理不尽で気の合わない人もごまんといることなど話をした。
そして、嫌な時はなぜ自分が嫌なのか、なぜあの人は怒鳴るのか、その人を分析して紙に書き出してみたりすると、気持ちが整理されたり、客観的にみたり、嫌な気持ちの記録になったりするし、本当に耐えられないほど辛くなったら、それをお母さんや校長先生に見せたらいいと思うよって伝えた。
自分の子供のことを親は助けたいと思うし、私もあなたの暗く曇った顔で歩いてることがとっても気になって、話しかけずにはいられなかったくらいだから、言葉は軽くなるけれど、文字はきっとSOSを伝えるには刺さるはずだからと。
中学校に着いたら、「ありがとうございました!」といって、笑顔を見せてくれたけれど、とっても可愛くて素直な彼女が暗く学校に行きたくなくなる原因が先生だというのは、とてもショックだし、今すぐにでも一緒に乗り込んで行きたい気持ちに狩られたけれど・・・
おせっかいおばさんは、彼女の気持ちが話すことで少しでも晴れてくれたらいいし、心配してくれる人がいると彼女に伝わればそれが今の私の役割だろうと思い直した。
「またどこかで会ったら、話をしようね!」
といって、バッテリーのなくなった自転車を漕ぎながら、彼女が笑顔で学校に行ける日を祈った朝でした。
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