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骨盤内炎症性疾患(PID)になった話

ある日曜の朝、身体に違和感を感じて体温を測ると微熱。関節痛と吐き気もある。大事をとって約束をキャンセルした頃には、悪寒と下腹部痛も加わり39.5℃の発熱。しばらく横になって安静にしてみても少しも楽にならず、痛みや吐き気は増すばかり。あまりの辛さに#7119に電話相談することにした。
電話口の看護師さんに状況を説明すると、救急外来のある最寄りの病院5件の電話番号を自動音声で案内してくれた。死に物狂いで電話番号をメモったものの、もう一度同じ内容を話す気力も体力も残っていないことに気付く。コロナは1回経験済みで、インフルエンザも2,3回経験している。どちらにもあった喉の痛みや鼻水などの風邪症状は一切ない。全身に漂う、人生初のどん底具合に泣きたくなった。自力で病院に向かうことが出来そうにないと静かに悟り、夫に救急車を呼んでもらう。数分後に救急隊員の方々が優しく声を掛けてくださった時は、救われた気がした。がそれも束の間、症状を説明しながら嘔吐。その後も吐き気は止まらない。若かりし頃のヘベレケ状態よりもたちが悪い。

最寄りの総合病院に搬送され、採血、採尿、CT、コロナの抗原検査、内科の先生の診察。どの辺りが痛むかなどと聞かれたけれど、触診はなく「CTの結果、小腸に浮腫みが見られるので腸炎」という診断が下され、帰宅を言い渡される。この時の私は、ここから症状変わらず2日が経過するとはつゆ知らず、腸炎で救急車呼んでごめんなさい…と反省モードだった。

高熱、下腹部痛、悪寒、吐き気、下痢、関節痛の症状を抱え、食事もままならず2日経った午後に限界を迎えた。先の総合病院へ電話を入れ、診察を切望する。歩くのもやっとだが、ただの腸炎なんだからと自分に鞭打って病院へ向かった。
発熱外来の待合室でも嘔吐。2日前に救急隊員の方からいただいたビニール袋をお守りの様に握りしめて来て大正解。だるさと寒さと気持ち悪さで埋め尽くされているせいか、羞恥心はなかった。たくさん着込んでいるのに寒くて震えが止まらなかったことはよく覚えている。受診希望の科を記入する際には、内科・・・泌尿器科・・・腎臓内科・・・婦人科・・・と渾身の力をふりしぼって手当たり次第にチェックを入れた。やけくそ、ともいえる。

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