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追跡・白いダイヤ~高知の現場から~第二部 流通(4)シラスロンダリング

 西日本の某県。仮に「X県」としよう。取材班はここで、シラスウナギを「裏から表へ変換している」という男に接触した。
 
 数年前まで、X県で採れるシラスの量は年間100キロほどだった。ところが、この男が現地でシラス問屋を始めた途端、採捕量が約7倍まで急増。関係者の間で「今までにない豊漁」と大きな話題になった。
 
 「実はな、実際は採れてないんや」。閑静な住宅街にある自宅で取材に応じた男は、ペロッと舌を出した。その年、X県で採れたとされる約700キロのうち、「9割」は男が県外から集めたシラスだった、というのだ。

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