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車のナンバーと江戸の町火消

ある日、車のナンバーに「を」なんてあるんだねと上司がつぶやきました。私は普段あまり車のナンバーを気に留めない人種ですので、「を」ナンバー車を見た記憶がありません。そこで「を」ナンバーが本当に存在しているのか気になって調べてみることにしました。

調べた結果、「を」ナンバーはきちんと存在していましたが、車のナンバープレートのひらがなには、4文字だけ使用されていないものがありました。その4文字と不使用の理由は以下のとおりです。

  • 「お」→「あ」と形が似ていて視覚的に誤認の恐れがあるから

  • 「し」→「死」を連想させるから

  • 「へ」→「屁」を連想させるから

  • 「ん」→発音しづらいから

「あ」と「お」よりは、「ぬ」と「め」のほうが見分けにくくない?と個人的には思うのですが、この4文字以外はきちんと存在しています。

ところで、これを知ったときに私は、「へ」の文字は江戸時代の火消の名前にも使われていなかった気がして、今度は火消のことを調べてみました。するとやはり、江戸の町火消・通称「いろは48組」にも「へ組」はありませんでした。その理由は、お察しの通り「屁」に通じるためだとありました。

時を経ても変わらない日本人の感覚というものが、こんなところにもあったわけですね。

ちなみに江戸時代の火消の組名で使われていなかったひらがなは他にもありました。これまた4文字で、「へ」のほかに「ひ」「ら」「ん」なのだとありました。不使用の理由については、それぞれ以下のとおりでした。

  • 「ひ」→「火」を連想させるから

  • 「ら」→隠語だから

  • 「ん」→語呂が悪いから

「ひ」と「ん」は分かりますが、「ら」は隠語とはどういうことなのか?
気になって調べたら、「マラ」の隠語とありました。そうですか、マラですか。それならば男衆の団体名にこの文字がつけられなかったのも頷けます。

お隣の席の仲が良い同僚にこの話をしたら、「みんなが「ら」を隠語だと理解できるくらいにその概念が広まっていたんですね~」と言っていて、やっぱり今も昔もみんな下ネタが大好きなんだなぁと思いました。

もし江戸時代に私も好きな大黒摩季さんの「ら・ら・ら」があったら、発禁処分にでもあっていたのかしら…?


参考サイト
クルマのナンバープレートに使えない「ひらがな」と「数字」とは?【クルマ豆知識】 | clicccar.com
東京消防庁<消防マメ知識><消防雑学事典> (tokyo.lg.jp)

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