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情報開示を受けてきました。

精神通院医療・手帳事務センターの業務委託に関連して。

今回、このような手段を取ったのは正直言って本意ではありませんでした。
というのも、自分が情報開示請求されたときの対応はかなり大変でしたしなんせ期限が定められている業務なので、是が非でも残業して期日までに法務や総務課との協議をして内容に問題ないか確認した上で公開することができるというフローになるからです。

ですが、どうしても申請のときのやり取りに不可解な点があったので開示請求することにしました。

不可解だなあと思っていたのは大きく2つ。
①委託業務なのに、指揮監督する立場の人間の常駐を仕様書で定めていないと説明されたこと。
②郵送での手続きを推奨しているにも関わらず、何故か郵送だと紙の課税証明書を取得しなければならないこと。
本来、この業務はマイナンバーを活用して情報照会してペーパーレス化される業務に該当するはず?
(ちなみに各区役所で申請した場合は、その場で職員がマイナンバーを活用して所得情報の照会をしているとのことでした。)
と思い、メインは仕様書を確認したいと思い請求を申し立てしました。

結論から申し上げますと。

誠実に情報開示の対応をしていただきました。

と同時に、仕様書に書かれていることと職員が相違した案内を行っていることも発覚。
(①の部分。写しではなく閲覧で希望したので正確な文言ではありませんが、責任者およびその業務を代行できるものを1名以上常時配置することと明確に記載されている箇所がありました。)
僕に申請不備の連絡をした際に、委託業者の上司に代わってほしいと伝えましたが不在であると言われたので結局、市役所の職員が代わりに対応することになっており、そこの点は完全に委託業者もそうですが市役所の職員側も対応に不備があることを認め謝罪していただきました。

あとはもうなんか闇の深い話。

②については、仕様書上には「市が所得情報を所有しておらず、課税証明書が提出されていない場合には依頼すること」と書かれていました。

ここで、???と思ったので「ここの意味はなぜ窓口での申請と郵送申請で違いがあるのか」確認したところ、
委託業者にはマイナンバーでの情報照会を活用できる準備が整っておらず、あくまでも紙ベースでの審査を実施しそれをもって決定を行っている。」
という回答でした。

厳しい言い方をすれば、郵送申請の市民に対しては「本来市が行うべき業務を、市の都合で市民に手間と金銭的な負担を強いている」ことになります。

この現状の裏側にある真意としては、
各区役所の障害支援窓口では「対応の限度を超えており本来の業務に支障が出ていることで郵送申請を推奨している」、市役所側でも「所得情報をマイナンバーの仕組みを活用して照会することを一律に実施するのはマンパワー的に困難である」というのが真意とのことでした。

結論から考える問題点。

ということは、あくまでも委託業者は仕様書上に記載の通り業務を遂行しただけでそこで市民からのクレームが有っても困ってしまう、1番の被害者だったことが判明しました

しかしながら、一番身近な市民サービスを提供している市役所という存在がマイナンバーの仕組みを利活用する余裕もないほどマンパワーが不足している状況というのはどういうことなのでしょうか

何のためのマイナンバー制度?
マイナンバー制度自体の維持費も膨大にかかっています。
申請書を紙で預かれば保管する場所も結局は必要になります。その保管費用は?
紙で見ることでのミスや、手間は?

僕自身はもともとマイナンバー制度で公平かつシームレスな官公庁の事務が運営される良い制度だと思っています。今でも。
ですが、末端のマンパワーが足りなくてマイナンバー制度がうまく活用できていないというのはあまりにもお粗末すぎると思います。

自治体時代、マイナンバー制度への対応はかなり苦慮しました。
今はどうなっているのかわかりませんが、自分のシステムは基幹システムから情報を連携する形で設計されていたので私の端末から直接マイナンバーの情報照会は実施できませんでした。
また、市長の意向で独自利用事務としても認められず他の市町村の状況が出揃ってから慌てて条例と規則を改正するという、恐ろしい対応をしたことを今でも覚えています。(職員側からは独自利用事務として希望を出していたのにも関わらず。)

そういったことから、今回の疑問自体は解消され相互に和解できる部分は和解したという形でした。
が、マイナンバーの仕組みを利活用できていないことは課題として残っています。
国民へマイナンバーカードを持たせたくて仕方ない国と、それに追いつけていない自治体。

なぜこんなに噛み合わないのでしょうか。謎。謎でしかありません。


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