あの子の話

過去にすがりたくなったら終わりだ。
昔のことを振り返って、
あの頃の俺はって、そうやってどうしようもない
自慢をする大人が嫌いだ。
みっともないしょうもない。
今と向き合わずにずっと昔の話をする。
昔を振り返る。

今を生き抜くために、暗くて辛くて抜け出せなくて、生きてるってより生かされている今をどうにかして何とかして抜け出すためには、少しでも楽しかった昔を想像する。
その記憶にすがりついて、今に満足できないまま
ずっとなんとなく時が過ぎていく。
今の自分がどうしても好きになれない。
いつの間にか救いようのない
自分になってしまった。

そんな自分はきっとあの頃の私はって、どうしようもない自慢をする大人になる。
満たされてて心の底から笑えてて、沢山の幸せをもらっていて、愛されてた子供の頃。
スノードームの中みたいな幸せがありふれてて、キラキラ輝いてた世界にいた何も知らないあの子。
私の心の中で、憧れの過去あの子は無邪気に生き続ける。

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