エイプリルフールが教えてくれたこと
ちょっと気恥ずかしさもあるけれどふと書き留めておきたいなと思ったので書くことにした。
エイプリルフール。それは1年に1回、4月1日だけは罪のない嘘やいたずらで笑わせてくれてもいいという習慣だ。
昔はその行事が楽しみで仕方なかったことを覚えている。
中学生、高校生の頃は毎年エイプリル・フールのネタを考えて友人たちを驚かせようとしたことを覚えている。
大人になるにつれ段々とエイプリル・フールという行事を気にとめることはなくなっていった。4月1日だからといってエイプリル・フールジョークを言う人は僕の周りにはいなかったから自然とその行事は気付かずに毎年終わっていった。
今年もそうなるだろう、と思っていた。
話が変わるが僕には留学時代に出会った友人で今でも仲良くしているスペイン人の子がいる。
僕が大学3年生の時に留学して現地で仲良くなり(厳密には留学前に何度か会ったことがあるのだが)僕が日本に帰国後も今度は彼女が東京で働くことになりなんだかんだずっと仲が良い。
社会人になってからも2週間に1回くらいは会っているのでかなり会っている。
彼女の名誉のためにも書くがお互い恋愛感情は一切なくお互いに恋人がいるし向こうの彼氏さんとも時々一緒に遊んだりする。
彼女は大切な友人であるし、人としても僕はとても尊敬している。
そんな彼女から今年の4月1日に「今年の9月でスペインに帰ることになったわ‥」というメッセージが送られてきた。
エイプリル・フールという行事をすっかり忘れていた僕はそのメッセージを疑うことなく信じてしまった。
あまりの突然なことに驚きを隠すことができずそして心にぽっかりと穴が空いたようにとても悲しくなった。
一度留学が終わるタイミングでさようならは経験していたのにその時よりも寂しいという気持ちが強かった。
結局エイプリルフールジョークだということがわかって安心したのだがこのエイプリルフールを通して彼女が自分にとって大切な友人であるということを改めて実感した。
僕はお世辞にも異性の友人が多くない、いやというかほとんどいない。
今まで男とばかりつるんできた人生であった。
そんな中、異性でこれだけ仲良くなった友人は彼女が初めてだ。
彼女が結婚することになったら僕は素直にすごく嬉しいし祝福してあげたいなと思う。それを思った時に異性であっても僕にとっては大切な友人なんだなと思った。
エイプリルフールが教えてくれた嘘じゃなくて偽りないのない自分自身の気持ちだ。
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