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人肌恋しい 真冬の夜の激闘

こんばんは。きっと君は来ない、ひとりきりのクリスマスイブにはなりたくない男shinshinです。

気がつけば12月17日。今年もあと少し、クリスマスもあと少し。

ふと夜になると人肌が恋しくなる、そんな時期と言えるでしょう。

皆さんも人肌が恋しいですか? 

僕は恋しいですねぇ(なお恋人はいない模様)

クリスマスまでに何かの間違いで僕にもハプニングが起きないですかね。

ここから先は18禁になるので良い子、女性読者(果たしているのでしょうか?)

はお気をつけくださいね!


先週末の夜11時頃、歯を磨いてさあそろそろ寝ようかと思っていたところに

独房メイトのI君がやってきました。

I君「shinshin、A子がB男の部屋にいるっぽい。」

shinshin「ふあっ!? まじ? この時間帯ってことは?」 

そう、ついに我がシェアハウスで身内で夜の営みが発生したのです。

結構僕にとってこの出来事は衝撃でした。なぜならA子さんとはほぼ毎日顔を合わせて話をしていてA子とB男が仲が良いということは知っていたもののそんなに早く事が進んでいるとは思っていなかったからです。

そしてアホ2人であるI君とshinshinの考えていることは同じでした。

「証拠抑えたいな笑」

それから僕たちはおよそ数時間にもわたりあらゆる手段を用いて

証拠を抑えようと奮闘しました。

僕たちは以下2点の証拠を抑えようとしました。

①B男の部屋にいるのが本当にA子であること

②部屋で夜の営みが実際に起きていること

この2つを満たすための十分条件は 

「A子が夜の声を出しているのを聞くこと」です。

I君とshinshinは現場に向かうためまずはスリッパを脱いだ。

スリッパを履いたままだと足音が聞こえやすくなるからだ。

B男の部屋は独房と同じ1階にあり、独房の玄関扉を開けて左側にある。

独房とB男の部屋の間には小さな階段があり、B男の部屋は独房出口から少し階段を降りた半地下にある。僕たちは交互に出来るだけこの小さな階段付近でB男の部屋から聞こえる音を聞こうとした。

しかしこれには一つリスクがあった。

独房の玄関扉をしっかりと開けないとB男の部屋につながる階段にはたどり着けない。そして階段から引き返す際には扉をまた開けなければならない。

つまり万が一、部屋から彼らが出る音が聞こえて逃げようとしても扉が邪魔となりほぼ100%見つかってしまうということだ。

見つかってしまったら僕たちはA子にサンドバックのごとくしごかれるのが目に見えていた(普段からしごかれているも同然だが)

僕たちはそれほどのリスクを冒してまで今回奮闘したことを読者の方々には理解してほしい。単なる変態ではなく勇敢な青年たちであるということを。

話を戻そう。

スリッパを脱いだ僕たちは交互にB男の部屋に近づくことにした。

はじめに僕が次にI君が。

先頭の僕はB男の部屋の前の階段に堂々と陣取り耳を済ました。

部屋の中から まるでチュッパチャプスをしゃぶるような音が聞こえた。

僕は思った。「これは間違いない。事はもう始まっているぞ!」

僕は勇み足で独房に戻りI君にその旨を報告した。 

I君と僕はこれからが本番に近づくことを確信し高揚感を抑えきれずにいた。

次にI君が視察に行った。

視察から戻ってきたI君は

「俺が今行った感じでは声はあんま聞こえんかったわ。いやてかそれよりこの履いてるズボンの音がガサガサいうねん。」と言い 

何をするのかと思いきや ズボンをすぽっと脱ぎ、 パンツ一丁になった。

I君「これでいくわ!!!!」

そしてパンツ一丁のまま、なかやまきんに君に似た笑顔で僕に全力でコマネチポーズを披露してくれたのである。

このシェアハウスに住み始めてI君のことを知って10ヶ月ほどになるが

僕は今までで一番彼を勇ましいと思った。

パンツ一丁のままもし見つかったとしたら想像もできないくらいの羞恥心を被ることになるにも関わらず彼にはズボンを脱ぐことに対して一ミリのためらいもなかったのである。

僕は彼のことをこの上なく頼もしく思った。

さて何度かお互いに部屋を視察に行ったが チュッパチャップスの音と部屋で話声が聞こえてきただけで僕たちは少ししびれを切らしていた。

そこで僕たちはある名案を思いついた。

B男の部屋の窓の外からならもっと音が聞こえるんじゃないか。

思い立ったが吉日で僕たちはシェアハウスから外に出た。

シェアハウスの周りを徘徊しているうちにI君がシェアハウスの真隣に小さな扉がありその中を通っていくとB男の部屋の窓の側にいきつけることに気づいた。

僕はその扉に近づきなかの道の様子を伺った。

真っ暗な細い通路の地面には大量の落ち葉が敷き詰められていて歩くたびに

落ち葉の音が「ガシャガシャ」という音が鳴り響く。

道も真っ暗であるからスマホのライトを照らさないと進めない状況だ。

スマホのライトの明かりと落ち葉の音という2つのバレるリスクがあった。

だがもうその時の僕にはそんなリスクは気にならなかった。

I君はズボンを脱いでパンツ一丁で勇敢に視察に向かった。

僕もこれくらいのリスクは取らないとダメだ。

ガシャッ。

僕は落ち葉の音に気をつけながら細い道をどんどんと進んだ。 

振り返ってみると見守っていたI君がもう遠くに見えるころまで来ている。

I君はシェアハウス内の視察に向かうと言い、内はI君、外は僕と役割分担をすることになった。

僕は細い道をぐんぐんと進み 置いてある換気扇が目に入ると同時にB男の部屋の窓らしき場所にたどり着いた。

はじめの1、2分ほどその窓で耳を済ましていたが音が全然聞こえない。

ここまで来たのに手ぶらで帰るわけにはいかない。

僕はB男の部屋の窓を少し覗こうとした。

その時だった。

部屋の中の黒い影がさっと動くのが目に入り 

僕は彼らに存在がばれてしまったと思い落ち葉をガシャガシャ踏みながら引き返してしまった。

おそらくスマホのライトが部屋に入りだれかが外にいると気づいたのだろうか。

しかも逃げるときに落ち葉をガシャガシャと踏みつける音を立ててしまったからバレたも同然かもしれない と少し落ち込んだままシェアハウスに引き返した。 

I君にそのことを伝えたがまだバレたと決まったわけではないので 

僕たちは再び視察を継続した。

I君:「ほな行ってくるわ」

何度も視察を行い時刻は夜中の1時を回っていたと思う。

I君がパン1のまま独房の出口に向かうのを僕は後ろから見届けた矢先のことだった。

ガチャンとB男の部屋のドアが開く音が聞こえ 

I君は独房にすぐに引き返した。「A子が部屋から出て来た!!!」

と慌てて言いながら。

僕たちは事態をうまくのみこめずとりあえず僕が少し経った後に 

様子を伺いにいくと A子はすでにB男の部屋を出て3階のリビングに向かったということが分かった。

つまり事のメインは僕たちが確認できないまますでに終了していたのである。

僕たちは肩を落とし数時間にもわたった僕たちの激闘は終わった。

そのあと僕たちはシェアハウスの屋上に行った。

I君はタバコを吸いながら、僕は白い吐息を吐きながら今日の激闘のことやお互いの恋愛事情について話し合った。

I君と話しているうちに僕はあることを感じていた。

それは アホなことをやったのが久しぶりですごく懐かしい感覚を抱いた ということだ。

今年、僕はついに社会人になった。

親から経済的、精神的にも完全に自立し、正式に大人になったと言って良いだろう。

大人になり子供の頃と比べてたくさんの点で成長したと思う。

しかし一方で大人になるにつれて失ったものもあるように思う。

それがアホなことをしたり無茶なことをすることなのではないかと思う。

今ではくそまじめな人間の僕ですら高校生、中学生の頃は友人とアホなことや無茶なことをしていた。

大学生、社会人となるにつれ僕はいつの間にか無茶をすることをしなくなっていったように感じたのだ。

あの日の激闘は高校時代に体感した男子で集まってばかをやる楽しさを僕に思い起こさせてくれたように思う。

最近話した30代の人が言っていたことが印象に残っている。

「どんだけ年をとってもさ子供の頃の自分と変わらないところって絶対あるんだよ。」

まだ僕はたったの大人1年目だ。

これから大人になるにつれてなかなかアホなことや無茶なことをやる機会が減っていくかもしれない。

でも時々でいいからあの日の激闘のように全力でアホなことをしていたい。

そう思わせてくれた人肌恋しい真冬の夜の激闘だった。

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