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日本絵画(近世まで)

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#工芸

大名茶人 織田有楽斎 /サントリー美術館

 有楽斎こと織田長益(ながます)は、織田信長の13歳下の異母弟。  さしたる戦功はないもの…

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ホンモノじゃない美術鑑賞 ~「模写・贋作・複製」の展示3本

 美術館や博物館には、ホンモノを観に行く。印刷物や映像でなく、ホンモノをじかに観ることに…

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琳派のやきもの —響きあう陶画の美 /出光美術館

「琳派のやきもの」と題した、尾形乾山のやきもの(乾山焼)を主役とした展示。  ——いた…

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京都 細見美術館の名品 ─琳派、若冲、ときめきの日本美術─:2 /日本橋高島屋

(承前)  琳派や伊藤若冲に代表される近世絵画は、2代・細見古香庵による蒐集品。  蒐めた…

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京都 細見美術館の名品 ─琳派、若冲、ときめきの日本美術─:1 /日本橋高島屋

 平安神宮に京都市動物園、京都国立近代美術館、京都市京セラ美術館……京都・東山の岡崎公園…

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鹿島と香取:3 /茨城県立歴史館

(承前)  かねてより拝見したいと思っていた作品にも、出合うことができた。  香取神宮が…

生誕360年記念 尾形乾山:2 /岡田美術館

(承前)  乾山は晩年に江戸へ下向して以降、絵画作品を手がけるようになった。本展では《夕顔・楓図》(下図)と《秋草図扇面》が出品。  作品を観ていただければわかるように、乾山の陶と画は地続きで、シームレスなものとなっている。  ここで思い出されるのはやはり、木米であろう。木米もまた、晩年になってから絵画作品を描きはじめた京の陶工であった。  乾山は1743年没、木米は1767年生で同時代の人ではないながらも、作家性や経歴に類似するところがある。 (1)や(2)はとも

生誕360年記念 尾形乾山:1 /岡田美術館

 箱根の岡田美術館へ行ってきた。開館時以来の訪問で、じつに約10年ぶりとなる。  ブランク…

没後190年 木米:4 /サントリー美術館

(承前)  木米が絵画でみせた融通無碍な振る舞いは、気負いのない余技のジャンルであるから…

没後190年 木米:2 /サントリー美術館

(承前)  木米の生業は、やきもの。絵画は、あくまで余技だった。  そして陶工や画家であ…

没後190年 木米:1 /サントリー美術館

「木米」の字面にピンとこない方でも、「青木木米」といえば、なんとなくイメージが湧くので…

初春を祝う―七福うさぎがやってくる!:2 /静嘉堂文庫美術館

(承前) 「七福うさぎ」のほかにも、干支のうさぎをあしらった作や、鶴亀・七福神などの吉…

国宝 雪松図と吉祥づくし:2 /三井記念美術館

(承前)  応挙の作品は《雪松図》以外にも5点。永樂の陶磁器が10点、象彦の漆器は2点。  …

大蒔絵展 漆と金の千年物語:1 /三井記念美術館

 「大蒔絵展」と銘打たれた本展。  ポスターをひときわ大きく飾るのは、なんと《源氏物語絵巻》。はなはだ意外なチョイスである。  《源氏物語絵巻》といえば、東京・五島美術館と愛知・徳川美術館に多くが分蔵される、国宝絵巻の代表選手。秋の特別公開時には、この絵巻をお目当てに来館者がひきをきらない。  それが今年は、徳川美術館での公開は見送られ、本展のために提供されたのだ。  春には最初の巡回先・静岡のMOA美術館でも展示。各図ごとに短く期間を区切っているとはいえ、稀にみるロングラン