初春を祝う―七福うさぎがやってくる!:2 /静嘉堂文庫美術館
(承前)
「七福うさぎ」のほかにも、干支のうさぎをあしらった作や、鶴亀・七福神などの吉祥画、ハレの宴席に打ってつけの懐石器や酒器、蒔絵の提重(さげじゅう)などが出ていた。
横山大観の大幅《日ノ出》は、第1展示室の最初に掛かっていたもの。
片ぼかしで表された幽玄な山並みの向こうに、一点の曇りもない、まんまるな朝日が昇る。たなびく雲が、陽光を受けて輝く。
吉祥性が前面に出すぎず、奥ゆかしさが感じられる点が好もしい。展示の冒頭には、まことにふさわしいではないか。