大雅と蕪村―文人画の大成者:3 /名古屋市博物館
(承前)
続いての章では、前章での「下郷家ー芭蕉ー蕪村」コネクションへの言及を受けて、尾張の俳壇と蕪村の関係を掘り下げていく。
俳人といっても、ひとり孤独に句を吟じていたばかりではない。師弟や派閥、ネットワークといった人的関係が、俳人としての活動の前提に存在していた。そういった輪の中心が、尾張名古屋だった。
会場では、名古屋の俳人仲間に自作の《奥の細道図巻》を売り込む蕪村の手紙や、名古屋に伝来したと考えられている《奥の細道図巻》(重要文化財、京都国立博物館)が展示。蕪