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日本絵画(近世まで)

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#日本画

大倉集古館の春 ~新春を寿ぎ、春を待つ~:2 /大倉集古館

(承前)  1階の展示は「新春を寿ぎ」に徹した内容となっており、2階の展示室で「春を待つ」…

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千總の屏風祭2023「見えない水を見る」:2 /千總ギャラリー

(承前)  たった3点だけの「見えない水を見る」展、最後の1点は、明治に入ってからの作品で…

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春の江戸絵画まつり 江戸絵画お絵かき教室 /府中市美術館

 今年の「春の江戸絵画まつり」は、例年にない新趣向。  江戸の画家たちが用いた技法や道具…

応挙と蘆雪(+古九谷様式):2 /東京黎明アートルーム

(承前)  地階の展示室を入ると、右側に長沢蘆雪、左側に円山応挙の作品が並んでいた。  …

日本の風景を描く ―歌川広重から田渕俊夫まで―:1 /山種美術館

「日本の風景」という広い括りでテーマ設定がなされた本展。  広げた網が大きいぶん、さまざ…

若冲と一村 時を越えてつながる:3 /岡田美術館

(承前)  本展では若冲・一村の着色画のほか、彼らの水墨作品や、周辺作家・作例についても…

蟹と応挙のまち・兵庫県香美町:8

(承前)  応挙らの襖絵が客殿に戻されたのは、神戸新聞によると「原物を配した客殿の仏教空間を超高解像度のデジタルデータで記録する」ためとのこと。きょう3月16日からはもう、収蔵庫におさめられてしまう。  同じ記事中にある、副住職の言葉が重い。  この一節から「これは行かないとまずいな」と悟ったのであった。そしてこのとき、同時に「もしかすると……」という予感もしていた。  大乗寺客殿は、当時の建物と障壁画がまるごと現存するのみならず、その完成度がきわめて高い。現在、襖と壁貼

蟹と応挙のまち・兵庫県香美町:5

(承前)  北西端の「芭蕉の間」。  人格者で子宝に恵まれた中国・唐時代の武将・郭子儀(…

初春を祝う―七福うさぎがやってくる!:2 /静嘉堂文庫美術館

(承前) 「七福うさぎ」のほかにも、干支のうさぎをあしらった作や、鶴亀・七福神などの吉…

鉄道と美術の150年:2 /東京ステーションギャラリー

(承前) 「鉄道絵画」の珍品を、もういくつか。  円山四条派の流れを汲む盛岡の絵師・川口…

琳派の花園あだち /足立区立郷土博物館

 ――足立と美術。  まことに失礼ながら、双方のイメージは容易には結びつきがたい。2006年…

最後の浮世絵師 月岡芳年展:7 /八王子市夢美術館

(承前)  猫尽くし柄の浴衣を身にまとったこの「新ばし福助」という女性は、その名のとおり…

春の名品探訪 天平の誘惑 /東京藝術大学大学美術館

 先日行ってきたばかりなのに、奈良がとみに恋しくなって「藝大コレクション展2022 春の名品…

椿、咲く。:1 /UNPEL GALLERY

 『椿絵名品展』というやや古めの展覧会図録がある。たしか1980年代の刊で、尾形光琳・乾山、横山大観、小倉遊亀、岸田劉生、北大路魯山人らの作品が載っていた。  画題はすべて「椿」。何度ページをめくっても椿、椿。  おもしろいのは、これらの椿の絵が展覧会のテーマに沿ってさまざまな所蔵先から集められたわけではなく、全点が同じ大東京火災海上保険の所蔵であったというところ。  大東京火災海上保険はその後合併し、あいおいニッセイ同和損害保険と改称。椿絵のコレクションも引き継がれ、ときお