ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント:3 /東京都美術館
(承前)
■抑えきれない創意 初期の素描
ヘレーネさんの集めたクレラー=ミュラー美術館の収蔵品によって、ゴッホの全画業をほぼカバーできる。
そのコレクションから編まれた本展も、これ以降は、各時代の作品を順に紹介する章立てとなっている。
なかでも今回は、初期の素描が充実。日曜美術館では、この点こそがじつは本展の最大の特徴であり、大きな挑戦だといっていた。
多くの画家の「初期の素描」には、学習の成果を忠実になぞろうとする生真面目さ、アカデミックさが色濃いもの。まだ