【信州コンシェルジュ体験記⑥】松本/伊勢の園
こんにちは!工房信州の家です。
この記事は、フォレストコーポレーションが4年前から実施している「信州コンシェルジュ」の体験レポート第6弾。
今回は工房信州の家のオーナー様でもある「伊勢の園」様の神田本店にお邪魔してきました。
信州コンシェルジュって?
信州コンシェルジュとは、
『信州で「信州らしい暮らし」を提案している私たちが、信州のことを誰よりも知っていたい。信州のプロフェッショナル、信州のコンシェルジュになろう。』そんな想いから始まったプログラム。
信州らしいアクティビティを体験しに行ったり、信州に根差し、信州を楽しんでいるプロに会いに行きます。
伊勢の園の由来
現在松本市神田と庄内にお店を構える「伊勢の園」様ですが、その店舗名の由来は三重県にある伊勢神宮でした!
当時、初代店主の芳太郎様が三重県にお茶の勉強をしに行った帰り道に伊勢神宮に立ち寄り、自身の店を出す際には「伊勢という字を入れたものにしよう」ということから伊勢の園という店が始まったそうです。
「伊勢の園」の歴史
100年近くの歴史ある「伊勢の園」様は当初、外部に委託してほうじ茶の茶葉を焙煎していました。しかし、商品が人気になるにつれ原料の確保が難しくなり、自家焙煎に挑戦しました。
初めに焙煎に用いていた機械は、手回しの窯で行っており、火加減が上手くいかない中、分量や煎り時間も分からない為、思った通りの味が出せずに、苦戦を強いられていました。しかし、幾度にわたる焙煎の挑戦と、改善を繰り返して外部委託していた頃思い描いていた味を出すことに成功したそうです。
それからもほうじ茶の味、香りへの探求は続き、何パターンも火加減や煎る時間など工夫を凝らし開発を重ね、昨年県内では初となる「日本茶AWARD 審査員奨励賞」を受賞するに至りました。
現在ほうじ茶の監修に携わっている伊勢の園、常務兼茶師を務める昌伸様は、「先代から受け継いできたほうじ茶としての良さを残しつつ、苦味や渋味を抑えて幅広い世代に楽しんでもらえるお茶を日々研究しています。」と笑顔で語ってくれました。
ほうじ茶の紹介
取材に訪問した際には3種類の煎り方をしたほうじ茶と棒ほうじ茶を試飲しました。
それぞれ、「焙煎が浅いもの」、「焙煎が深いもの」、「それら中間のもの」という形で準備をしていただきました。
焙煎が浅い茶葉からは青みがかった風味を楽しむことができ、少し甘い味わいでした。逆に焙煎が深いものについては、焙煎されている香りが広がり、豊かな風味を醸し出しており浅いものに比べて、お茶の葉の味がしっかり出ており大人びた味わいでした。
店舗では今回試飲したような様々な煎り方をしたほうじ茶の葉を合組というという形で配合して商品にしているそうです。
続いて棒ほうじ茶についてですが、こちらは実際に店舗で販売しているものをいただきました。この棒ほうじ茶は一番茶といわれる、年の最初に摘まれた茶葉の中でも特上と称される茶葉の中でも最高品質の商品の茎部分を使って作られているそうです。
本来お茶の葉のなかでは最高級品として扱われる物とのことで、焙煎時も繊細に扱っているそうです。
棒ほうじ茶は茎の部分を使っていることもあり、普通のほうじ茶とはまた違った香ばしさを体感できました。飲んでみると、柔らかくふんわりと広がるような優しさを感じ、渋味を一切感じないクリアな味わいでした。
ほうじ茶の入れ方について
今回昌伸様が、ほうじ茶を注ぐ際に実際に伊勢の園さまで推奨しているほうじ茶の入れ方を伝授して下さいました。
一般的にはほうじ茶は高温でとられることが多いそうですが、伊勢の園様で実際に販売している茶葉は、お茶の葉の品質が高いことから、高温でお茶をとってしまうとお茶の葉の組織を痛めてしまい、渋味や苦味につながるということから、湯冷ましをしたお湯でお茶を入れた方がおいしく注げると教えてくださいました。
枡どら焼きについて
枡どら焼きは、英二郎様が当時、一般的な丸いどら焼きでは隅の方まであんこが入ってないが、端まで楽しめるようなびっしりあんこが詰まったどら焼きを作りたいという思いから開発が始まりました。
開発は、調理師免許を持った昌伸様が指揮を執り、安曇野市のお菓子屋さんと協力して原材料からこだわり抜いた四角い枡どら焼きが誕生しました。普通のどら焼きとは一線を画した柔らかな触感と甘すぎないあんこがほうじ茶にぴったりでした。
最後に
伊勢の園様では、これまでもほうじ茶という商品に携わる中で、老若男女問わず様々な年代の人に楽しんでもらう。ということをコンセプトにお茶作りに携わってこられました。ほうじ茶単体でもおいしく味わえる、食事とともに提供されればその食事を引き立てる。そんなほうじ茶を目指し日々研究開発されているそうです。
こだわり抜かれたほうじ茶と、枡どら焼きを食べにぜひ一度店舗に立ち寄ってみて下さい。
信州コンシェルジュ体験記はシリーズ企画。今後も信州に根付き、信州を楽しんでいる方にインタビューを行い、発信していきます!
松本