ペルセウス座流星群の思い出

はじめに・ペルセウス座流星群とは

 今年もこの時期がやってきたので、思い出を綴ってぶん投げてみようと思った次第。
 ペルセウス座流星群とは、7月半ばから8月下旬にかけて見ることのできる流星群。しぶんぎ座流星群・ふたご座流星群と共に肩を並べる「三大流星群」のひとつである。
 活動が活発になるのはお盆の頃で、今年は8月13日が極大日(流星群のピーク)。この時に流星群を観測すると、1時間におよそ40個も流れ星を見ることができる。
 流星群の放射点(流れ星が飛び出す中心となる点)およびペルセウス座の位置は北の空。観測自体は暗くなれば可能だが、放射点が低いため、見つけにくい。なので、放射点の位置が高い、日付が変わる頃から観測を始めるとよいだろう(放射点の位置が高いと、流れ星を見つけやすい)。

ペルセウス座流星群の思い出

 私が初めて流星群を見たのは、小学生の頃だった。夏休み中、祖母の住む町のコテージに父親と泊まり観測をしたのだ。
 父親は昔から星好きらしく、天体観測はもちろん、星空を写真に収めたり、地元の天文台の台長先生に教えを乞うたりと様々だ。極めつけは、望遠鏡を自作したという話だった。「科学館で売られているような小さなものだろう」と思っていたが、実際に見せてもらうと、電信柱ほどの太さだったから驚いたのを覚えている。しかもそれを、高校生の時に作ったと言うから度肝を抜かれた。
 この父親は、私が自由研究の課題があると知ると、とにかく天文学に関わる研究をさせた。日時計や日食観測装置、木星の衛星観測がそうだ。

 閑話休題。
 先にも書いたように、この流星群観測も自由研究のひとつだったと記憶している。
 夕飯を食べてから仮眠を取り、日付が変わった頃に準備をしだした。父親はただ流れ星を見させるだけではなく、手製の記録用紙を挟んだバインダーとペンを私に持たせると、流れた時間・位置・速さを記録させた。速いとF(fast)、遅いとS(slow)といった具合に。
 コテージにはベンチがあったので、そこに寝転がって観測をした。真っ暗と言えるほど暗くはなかったが、それでもちゃんと観測はできた。父親は時々私にアドバイスや、用紙に書き入れる文字の指示をしてきた。流れ星が見えた時、そりゃあ最初は感動したが、記録をせねばならなかったので、心中は慌ただしかったような気がする。
 観測が始まってから2時間ほど経った頃だったろうか。小学生だからか、そもそも飽き性なのか、私は観測に飽き始めていた。かのしし座流星群のような過度な期待はしていなかったが、単純作業の繰り返しだからか、つまらなく感じてしまったのだろう。それが察せられたのか、父親が「飽きたか」と聞いてきた時に私は頷いて、流星群観測は終了。
 いざ寝るとなった時、階段の途中にある窓から、父親が空を眺めており、まだ流星群の観測をしていた。「流星群はこれからだぞ」と言うのに対して、「だって飽きたんだもん」とは言えなかったが。今でもそれに関しては、申し訳ないと思っている。しかし、今の私が観測をしても、ずっと見続けられる自信は無い。
 だが、間違いなく思い出にはなるので、どうか根気強く粘って観測してほしい。

お節介ワンポイントアドバイス

 さて、ここまで長々と思い出を綴ってきたが、ここからは流星群観測のためのコツを記していこうと思う。ただ、私はプロではないので、経験に則ったことしか言えないことをここに明記しておく。

その1 目を頻繁に動かすこと
 これは父親から一番最初に教わったことだ。流星群には放射点があるが、それは飛び出してくる方向というだけであり、実際にどこで流星の元が燃えて流れ星になるかは、元自身にしか知り得ない。つまり、放射点だけを見つめていても、そこのほんの周辺で流れる流星しか観測できないのだ。
 これを解決するには、目玉をきょろきょろと動かし、様々な方向を見る。これに尽きる。

その2 寝転がること
 こういうことを書くと「何を言っているんだ?」と思われそうだが、これは大事なことだ。別に立ち姿で空を見上げても観測できるのには間違いないのだが、長時間の観測には向かない。首が痛くなるし、足も疲れる。想像にかたくない。
 なので、レジャーシートや(製品があるかは分からないが)寝姿勢に近くなるアウトドアチェアを持参するとよいだろう。
 余談として、冬場の流星群観測で、コタツを用いて寒さをしのぎながら観測した事例もある。詳しくは、note最後の書籍に写真が載っているので、ぜひ読んでみてほしい。

その3 虫除け対策をすること
 流星群観測をするには、山などの光源の少ない、虫の多い自然の多い土地へ行くことになるだろう。私が観測へ行った時、父親が蜂に刺されたのだ。対策として、虫刺され用の塗り薬を持ってきていたため大事には至らなかったが、これが毒虫だったら、病院も閉まっている上、対処が遅れるとまずい。
 なので、虫除けスプレーや刺された時用の薬などを持っていくことをおすすめする。

その4 懐中電灯には赤セロハンを
 この項目では、自由研究などを目的とした時の話をしようと思う。
 私が流星群観測をした時、先に書いたように用紙に情報を記入した。その時、手元が暗くては書けないので懐中電灯を持っていったのだが、それの上から赤セロハンを被せていた。
 なぜかと言うと、目が眩んでしまわないようにだ(書いておいて何だが、そんな大層な理由だったかは不明瞭)。
 明るい光を見てから暗いところを見ると、ぼやーっと緑色の点やもやが見えることが誰しもあるだろう。それが原因で流れ星を見逃していちゃもったいない。
 なので、セロハンで懐中電灯を覆い、限りなく暗くして、記録をする。すると、あまり目に負担がかからず、目も眩まず、スムーズに観測に戻ることができるのだ。

その5 根気強く観測しよう
 何だかんだでこれが一番大事だったりする。流星群観測は長丁場なので、非常に飽きやすい。
 そういう時は観測を中断してストレッチをしたり、そもそもの観測時間を短くするなど、飽きがこないように工夫をするとよいだろう。何事も楽しくが一番である。

さいごに

 思い出の項目でネガティブなことを書いてしまったが、私は流星群観測が楽しくなかったわけではないし、天体観測を敬遠しないでほしい。
 天体観測は数時間だったり、年単位ほどの時間をかけて変化が分かるものだ。流星群も、時期や時間帯によって流れる量が変わる。その変化を楽しんでもらえたらと願っている。
 ほか、先に書いたおすすめの書籍を宣伝して、このnoteを締めくくろうと思う。

参考↓

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