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BMWが33万円⁉ 消防車やこんなモノまで…自治体の公売・競売品

こんにちは、ぶらっくまです。先日、神戸新聞でちょっと驚くご当地ニュースを目にしました。まずはその記事からご紹介します。

二宮金次郎像買って! 三木市が閉校した学校などの備品販売

東吉川小学校で子どもたちを見守り続けた二宮金次郎像=三木市役所

 もしかすると金次郎さんが、買えるかも―。閉校した小中学校などで使われていた備品約3800点を、三木市が販売する。その中に、旧東吉川小学校に設置されていた二宮金次郎像(高さ1メートル、重さ約23キロ)があった。手に持った書や背負ったまきまで丁寧に作られており、作り手の「勤勉」もにじむ逸品。他にも旧よかわアフタースクールで使われていたアップライトピアノのほか、旧志染中学校の机や椅子、顕微鏡など学校ならではの品々が準備されている。

2024年5月11日付 神戸新聞朝刊記事より抜粋

二宮金次郎像!! かつては全国各地の学校で多く見られたそうですが、いまやその数は減少の一途だといいます。私もこの写真で久しぶりに見ました。

記事によれば、像は青銅製で、最低売却価格(税抜き)は1万円。5月21日まで参加申し込みを受け付けているとのことです。買い手がつくんでしょうか⁈

気になった方は、電子版「神戸新聞NEXT」の会員記事(下記リンク。無料会員コースもあります)や三木市のホームページをご覧ください。

一時期に比べて自治体による公売・競売のニュースをあまり見かけなくなった気がしますが(それだけ当たり前の事象になったからかもしれません)、神戸新聞の過去記事を調べると、近年もさまざまな品が売り出されていました。次も、同じ三木市からのニュースです。

オルガン、玉入れセット…懐かしの学びやの備品500点販売/21年閉校の小学校

旧中吉川小学校で使われていた備品の数々。(右上から時計回りに)木琴、電流計、玉入れセット、棚、卓球台、オルガン(いずれも三木市提供)

 音楽会では目立つ大太鼓、騒音の割に効果が分からない黒板消しクリーナー…。そんな懐かしい品々が手に入るかもしれない。三木市が、2021年3月に閉校した旧中吉川小学校(三木市吉川町大畑)で使っていた備品を販売する。最低価格を上回る金額で入札し、最高値を付けた人が購入できる仕組み。備品不足に悩む施設関係者にも需要がありそうだ。

 市財政課によると、同校の物品の多くが他校で引き続き使われる一方で、処分するしかないものもあり「有効利用につながれば」と初めて企画した。
 ラインアップは約500点と多彩だ。職員室にあるグレーの机や棚、ロッカーといった事務用品から、先生が算数の授業で使う大きなコンパスや分度器、木琴やシンバルといった楽器など、誰もが過ごした小学校の日々がよみがえる品ばかり。いずれも最低価格は低めに設定されており、運動会で使う玉入れセットは千円という。
 販売収益の用途は決まっていないが、同課は「学校の物品を販売した収益なので、できれば学校関係の物品購入などに充てたい」とする。
 

2023年7月7日付 神戸新聞朝刊記事より抜粋

黒板消しクリーナー…。確かに、「ブォーン!」という騒音の割に効果のほどは謎でした。入札で落とした人はいたんでしょうか。閉校したこの学校の卒業生だったら、欲しくなる気もします。

自治体の公売・競売の定番といえば、車があります。次は10年前の古い記事になりますが、高級住宅街がある自治体らしい話題かもしれません。

芦屋市ネット公売 高級外車BMW33万円で落札

 芦屋市がインターネット公売に掛けていた高級外車のBMW1台(走行距離約8万9千キロ、ETCやカーナビ付き)がこのほど、33万7千円で落札された。入札参加希望者は31人いたが、実際に参加したのは3人にとどまった。売却益は市税滞納分の一部に充当される。これまでのネット公売(車)の最高額はポルシェで432万円だったという。

2014年5月15日付 神戸新聞朝刊記事より抜粋

芦屋市のネット公売には過去、高級な洋酒やブランド物のバッグなども出品されていました。

また、車といえば、こんな特殊車両の出品も結構あるようです。

「働く車」のオーナーに 公用車ネットオークション

さん市がインターネットオークションに出品した15メートル級はしご車(市提供)

 さん市が使わなくなった15メートル級はしご車をインターネットオークションに出品している。最低価格は30万円で、落札すれば一般の人でもオーナーになれる。ただ、これはあくまで開始時の価格で、実際はもっと高額で落札されるケースが多い。市は2012年以降に救急車など計22台の公用車を出品。売却総額は2387万6711円に上り、10倍以上の値が付いた車両もある。

 救助工作車、除雪車、ごみ収集車…。自治体など行政機関が出品するオークションサイトには、子どもたちに人気の「働く車」がずらりと並ぶ。
 三田市も更新などで不要となった公用車を出品。軽乗用車などは下取りに出しているため、特殊な車両に限っている。最低価格は担当課が市場調査などを基に決めるが、落札してもらえるよう低めの設定だ。市契約検査課の担当者は「特殊な車両は市場に出ることが少なく、高値となる傾向にある。売却額は市の収入となるのでありがたい」とする。
 これまでの最高落札額は16年に出品した大型特殊車両の「ショベル・ローダ」で、県外の事業者が250万1円で落札した。最低価格は30万円で、29件の入札があったという。
 もともとは市が1990年に約639万円で購入し、土のうをダンプに積み込む作業などに使っていた。工事現場などで酷使される同種の車両に比べて稼働時間が大幅に少なかったため、購入から26年がたっても高値となったとみられる。
 直近では昨年11月に市消防本部の救急車を最低価格10万円で出品したところ、101万円で医療機関が落札した。2009年に約2800万円で購入した車両で走行距離は約18万キロ。担当者は「救急車やはしご車は新車だとかなり高額なため、事業者が落札して使っているようだ」とする。実際、19年に出品した50メートル級のはしご車は、島根県の建設業者が165万円で落札(最低価格は30万円)。市が1996年に購入した際の価格は約1億5800万円だった。
 一方、さほど高く売れなかったのが、市長公用車だった日産「シーマ」だ。98年式で走行距離は約18万キロ。2016年に最低価格10万円で出品したところ、13万8888円で落札された。
 今回のはしご車は「KSI官公庁オークション」に出品。1999年に新車登録しており、購入価格は約6941万円だった。走行距離は約1万500キロで、火災などの出動は少なく訓練や啓発イベントを中心に使われてきたという。

2022年1月29日付 神戸新聞朝刊記事より抜粋
三田市が2016年に出品した大型特殊車両「ショベル・ローダ」(市提供)
三田市が2014年に出品したごみ収集車

なるほど、こういう特殊車両は事業者が落札するケースがあるんですね。自治体にとっては収入に、事業者にとっては「お得な買い物」になるなら悪くないですね。

そして、上の記事に出てくる「はしご車」を落札したのはなんと、こんな意外な事業者でした。

はしご車が転身 エンタメ界へ/高所見物やライブで使用検討

 ご苦労さまでした。第二の人生も輝いて―。さん市消防本部で22年間、市民の安全のために活動してきた15メートル級はしご車が、車両更新に伴う売却で東京のイベント会社の手に渡ることが決まった。人命救助からエンターテインメントの世界への転身。市は今後の活用方法にも期待している。

 市が2月末に実施した「KSI官公庁オークション」で決定。最低価格は30万円に設定し、20件の入札があった。
 落札額は予定の5倍以上になる171万7171円。プロジェクションマッピングなど特殊効果を使ったイベントや、アーティストのライブを企画する東京都新宿区の会社が提示した。
 同社によると、具体的な活用方法は検討中だが、ホテルのイルミネーションイベントで、はしごを使って来場者に上から景色を見渡してもらうことや、ライブ会場で歌手が客席を回るのに使うなど、さまざまな可能性を考えている。
 「やっと購入できました」と同社の広報担当者。各地のはしご車オークションに挑戦し、三度目の正直だという。同業他社ではしご車を持っているという事例を聞いたことはなく、独自性が出せるのではと期待する。購入価格に関しては「基準が分からなかったので直感です」と笑う。
 今回売却が決まった15メートル級はしご車は1999年に導入したモリタ製で、年間6件前後の火災や救助に出動してきた。三田市消防本部で定めた更新基準は20年だが、出動頻度の多い救急車の買い換えを優先し、ずれ込んでいた。
 市の担当者は「50メートル級はしご車の価格を上回ったのはもちろん、人を楽しませるイベントで使ってもらえることに驚いたし、うれしい」と話した。

2022年3月28日付 神戸新聞朝刊記事より抜粋

最後は、ある意味、意外な出品といえるでしょう。

在庫フロッピーディスク、ネット競売へ/香美町「使う人いるかも」

香美町が官公庁オークションにかけるフロッピーディスク=町役場

 香美町は、町役場2階の倉庫に眠っていた新品の3・5インチフロッピーディスク(FD)60枚を、インターネットの官公庁オークションに出品する。1枚の記憶容量は720キロバイトで、町が設定した予定価格(最低売却価格)は100円。
 年末の大掃除で職員が見つけた。昨年4月、山口県阿武町が4630万円を誤って振り込んだ問題でも、町役場と銀行が口座データのやりとりに使っていたとして話題になったFD。「捨てるのももったいないし、ひょっとしたら使う人がいるかもしれない」と、オークションにかけることにした。
 日立マクセル製で10枚入り6箱組。購入時期は不明だが、日立マクセルは2009年3月にFDの販売を終了した。これまでに香美町が出品した官公庁オークションでは、21年3月に閉校した香住第二中学校の碁盤セットや打楽器のカバサを予定価格100円に設定し、それぞれ1800円と1500円で落札されたという。

2023年1月26日付 神戸新聞朝刊記事より抜粋

〈ぶらっくま〉
1999年入社、神戸市出身。フロッピーディスク、懐かしいですねー。ただ、岸田首相が国会の施政方針演説で「フロッピーディスクを指定して情報提出を求めていた規制を見直したりといった改革を、来年までの2年間で一気せいに進めます」と述べたのは、昨年1月のことでした。同じような〝遺物〟のカセットテープは、「昭和レトロブーム」もあって一部で人気と聞きますが、フロッピーの復権はさすがにないでしょうね。フロッピーディスクドライブは、まだ家のどこかにあるはずですが。