「峯」「峰」「嶺」。「取り扱い注意」の姫路の地名
播州人3号です。難読地名を何度か取り上げてきましたが、われらが播州・姫路には、市民でもどっちやったっけ?と迷う地名や施設があります。世界遺産・国宝姫路城に近く、あの戦国武将ゆかりの地で使い分けられる「みね」の字について紹介します。
「難読」を紹介する投稿はこちら
駆ける馬に豊作願い
姫路・広峯神社で「祈穀祭」
羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)に仕えた戦国武将、黒田官兵衛ゆかりの神社で、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(2014年)では岡田准一さんが官兵衛役を演じました。
司馬遼太郎の歴史小説「播磨灘物語」では、官兵衛の祖父重隆が、ここで眼病に効くというメグスリノキで作った軟膏(なんこう)で財を成し、頭角を現したと書かれています。
注目は神社名(広峯神社)と地名(姫路市広嶺山)です。
「峯」と「嶺」。2つの「みね」があります。
使い慣れているのは「峰」の字と思われた方。
ちゃんとあります。神社近くの小学校に。
広峰地区に青パト
ちなみに先ほどの広峯神社のある山は、広峰山と言います(念のためですが、広峯神社の地名は姫路市広嶺山です)。
なるほど地名には「嶺」を使って書き分けるのかと思われそうですが、そう単純ではありません。
近くに姫路競馬場があり、競馬場から広峰山が見えます。
新型コロナワクチンの大規模接種会場にもなりました。
コロナワクチン 知事が接種会場視察
姫路競馬場 若い世代の状況確認
お分かりでしょうか。競馬場のあるのは「姫路市広峰2」です(何度も書きますが、広峯神社は姫路市広嶺山です)。
もうしばらく「みね話」にお付き合いください。
広峰小学校の同じ敷地に中学校があります。
姫路市立広嶺中学校です。
けが応急処置など学ぶ
広嶺中で訓練
自衛隊員が講師
広峰小と広嶺中。
漢字の使い方に注意が必要ですね。ただ、それだけではありません。
小学校は「ひろみね」ですが、中学校はなんと「こうりょう」と読みます。
紛らわしい漢字表記に読みまで加わってさらに複雑になりますが、当然、地元の方はきちんと使い分けます。
気を付けなければならないのは原稿を書き、見出しをつけるわれわれです。
固有名詞の間違いは「訂正」記事につながり、せっかく取材に応じてもらった人に迷惑をかけます。
そのため姫路本社に赴任した記者やデスクは「みね」のつく地名や施設の早見表を手元に置いて、そのつど確認しています。
<播州人3号>
1997年入社。姫路勤務時代に何度か広峯神社を訪れました。神社のある広峰山頂まで車で上れます。標高は200メートルちょっとと、それほど高くはありませんが、市街地が一望できます。山はお城の北側にあるため、ここから眺める姫路城も優美で、お薦めです。
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