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18年ぶりの「アレ」へ! 新聞の見出しを飾った「アレ」

18年ぶりの悲願が視界に入り、いよいよ緊張感が高まってきました。そう、岡田彰布監督率いる阪神タイガースの「アレ」です。

タイガースの本拠地・甲子園球場(兵庫県西宮市)が地元にあり、僚紙にスポーツ紙「デイリースポーツ」を持つ神戸新聞社内でも日に日に熱が高まっています。新聞紙面や電子版「神戸新聞NEXT」では「猛虎進撃」というワッペンとともに関連記事を展開しています。

私、ぶらっくまが所属する編集局内の会話でも、「アレ」の2文字が飛び交っています。「アレの取材態勢やけど…」「アレのワッペン記事のアイデアを募ります」などなど。「アレって? あぁ、アレね」と、ちょっとややこしいときもありますが。

新聞紙面の見出しにも「アレ」の2文字が躍ることが多くなりました。スポーツ紙を除く一般紙では、神戸新聞ならではかもしれません。Xデーを待ちわびながら、今回はそんな紙面(見出し)をいくつかご紹介します。

 「アレ」への備えは万全に―。兵庫県警は7日、プロ野球阪神タイガースのセ・リーグ優勝時に合わせた総勢約530人に上る警備態勢の概要を固めた。甲子園球場▽県内最大の繁華街にあるJR三ノ宮駅▽「日本一早いマジック点灯」で有名な商店街近くの阪神尼崎駅―の3カ所周辺に警察官を重点配置。興奮したファンによる混乱も想定し、警戒を強める。
 警戒態勢は、その日に優勝の可能性があるマジックナンバー2か1で発動。管轄の警察署員や交通部門の警察官ら約280人が専従で雑踏対策などに当たり、機動隊や機動捜査隊など他の部門も支援する。
 規模は前回リーグ制覇した2005年のほぼ半分。当時行われたパブリックビューイングなどが予定されていないためという。ビジターの試合では甲子園球場周辺の専従要員を減らす。
 県警地域企画課は「人が集まれば想定外のことが起きる。臨機応変に対応し、事故なく『アレ』を見守りたい」としている。

2023年9月8日付朝刊記事

記事の末尾にあるように、兵庫県警の担当者も「事故なく『アレ』を見守りたい」と気を引き締めています。

2023年9月10日付朝刊
2023年9月9日付朝刊
2023年9月3日付朝刊
2023年8月30日付朝刊
2023年8月28日付朝刊

連日のように「アレ」の2文字が見出しを飾っています(使いすぎ?)。

僚紙デイリースポーツでは登場頻度がさらに増し、シーズン開幕前のキャンプ中からワッペンや記事のコーナー名などにも使われています。

デイリースポーツ紙面より
デイリースポーツ紙面より

今年の頭から神戸新聞を繰ると、年明け間もない紙面の見出しに登場していました。

 プロ野球阪神タイガースの岡田あきのぶ新監督やももきた幸司球団社長ら幹部9人が1月5日、神戸市中央区の神戸新聞社を訪れ、2023年シーズンの抱負を語った。
 阪神は昨季3位。退任した矢野あきひろ監督の下で4年連続Aクラス入りしたものの優勝には届かず、前回05年のリーグ優勝に導いた岡田監督にチーム再建を託した。今季のチームスローガンは「A.R.E.」。指揮官が優勝を意識しすぎないよう口癖の「アレ」と言い換えたことから選手にも浸透している。
 15年ぶりの再登板で注目を集める岡田監督は「アレ(優勝)を目指す」と決意を示した。2月1日のキャンプインが待ち遠しい様子で「沖縄でユニホーム姿の全員が集まるのが楽しみ。本当に早く来ないかな」と語った。
 65歳はプロ野球12球団の監督で最年長。「しんどいわ」と周囲を笑わせながら「グラウンドに出ている方がいい。秋季キャンプでも後半にだんだん体力が付いてきた」と頼もしい。18年ぶりの優勝へ「勝てるように徐々に味付けしていく」と意気込んだ。

2023年1月6日付朝刊記事

ちょっと忘れかけていましたが、上の記事にあるように、チームのスローガンとしては「A.R.E.(エー・アール・イー)」なんですよね。

今年の元日の神戸新聞記事では、スローガンに込められた「明確な目標(im!)に向かい、敬いの気持ち(espect!)で取り組み、パワーアップ(mpower!)することで最高の結果を残していく」という意味合いを紹介していました。次第に、記事の文中でも「A.R.E.」が「アレ」に取って代わられ、登場機会は減っていきましたが。

今やすっかり浸透した「アレ」ですが、今シーズン初めて注目されたわけではありません。ファンの方ならご存じかもしれませんが。岡田監督が「アレ」と公に言い出したのは2010年。当時はオリックスの監督で、選手が意識して硬くならないよう代用するようになったから、とされています。この年、オリックスは交流戦を制しました。

当時の僚紙デイリースポーツを見ると、ありました。見出しに「アレ」の文字が。

2010年6月13日付デイリースポーツ

また当時、交流戦優勝を記念して、球団からこんなグッズが限定販売されました。

2010年にオリックスが交流戦優勝を記念し、限定販売したTシャツ

ちなみに今シーズンは、神戸新聞社のグループ会社であるサンテレビと、食品加工の「ブンセン」(兵庫県たつの市)がコラボし、のりつくだ煮「アレ!」を限定発売。ブンセンのロングセラー商品である、のりつくだ煮「アラ!」とかけていて、サンテレビのポップアップストア「おっ!サンの店」でも取り扱っています。

〈ぶらっくま〉
1999年入社、神戸出身。「アレ」が浸透する前は、岡田監督の口癖といえば、個人的には「そらそうよ」でした。岡田監督がオリックスの監督を退任後、神戸新聞の社員研修の講師として来られたことがあり、「そらそうよ」と言ってくれそうな質問をしたのですが、聞けませんでした(もっと丁寧な口調で答えていただきました)。