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進化するシグナル(信号機)

毎日のように目にするのが信号機です。赤や青、黄が点灯して「進行の許可」や「停止の指示」を歩行者やドライバーらに伝えます。基本機能はずっと変わりませんが、ちょっとずつ進化しています。播州人3号が紹介します。

初めて縦型を見たときは驚きましたが、雪国でも横型が増えてきているようです。

豪雪地帯、主流は縦型
但馬の信号 横型じわり
フード要らずの薄型 風雪なんの

 積雪を理由に「縦型」の信号機が主流だった但馬地域に「横型」が登場し始めた。技術の進歩でライト部分が薄くなった上、特殊なレンズで視認性を高めて日差しよけのフードも必要なくなり、雪の重みで支柱が曲がるなどの被害が防げるようになったためだ。兵庫県警は2015年度にこの〝新型〟の導入を始め、但馬の交差点5カ所などに設置。今後も更新時期などに切り替えを進めていく方針で、県北部の街角の風景が徐々に変わりつつある。  スキー場が5カ所ある県北西部の豪雪地帯、新温泉町と香美町。管轄する美方署によると、管内52カ所にある信号機は全て縦型だったが、香美町香住区加鹿野(かじかの)の県道交差点に昨年12月、横型1基が新設された。
 納入した静岡県の製造メーカーによると、厚さは約6センチ。光源を電球から発光ダイオード(LED)にして薄くなったタイプの、さらに4分の1程度だ。日なたでもライトが見えやすい特殊なレンズで「フードレス化」を実現し、積雪や強風の影響を受けにくいという。LEDは温度があまり上がらず、レンズの表面に雪が付着しやすいが、ライト部分を下向きに傾けることで対応した。
 全国的に信号機は横型が主流だが、雪国では縦型が圧倒的に多い。但馬地域では、比較的南に位置する朝来市で10カ所程度の交差点に横型があるが、それ以外は歩道橋や商店街のアーケード下に取り付けられて雪の影響が少ないもののほかは、ほとんど縦型しか見当たらない。
 県警交通規制課や各警察署によると、県内で信号が設置されているのは交差点など約7千カ所。「薄型」は、但馬が5カ所、それ以外は1カ所のみだ。但馬のほかの4カ所は豊岡市日高町祢布=北近畿豊岡自動車道・日高神鍋高原インターチェンジ(IC)出口▽養父市浅野=同自動車道・養父IC出口▽朝来市多々良木=国道312号交差点▽同市和田山町寺谷=県道交差点。  但馬以外の1カ所は、阪急芦屋川駅東側の芦屋市東芦屋町の県道交差点で、隣接した線路の下をくぐるため、低い位置でも見やすくなるよう設置したという。
 一方、製造コストの削減や省エネルギーのため、警察庁は信号機のライトの直径を従来の30センチから25センチに小型化したタイプを開発。6月に大阪府警が全国で初めて導入した。兵庫県警も秋以降、県内全域で導入を始める予定という。
 「いずれのタイプも運用コストが低く、視認性も高い。場所の状況を勘案しながら、県内全域で設置していく」と県警交通規制課。さらなる薄型化や小型化などの進化が予想され、但馬の信号機もいずれ全国標準の「横型主流」に切り替わっていきそうだ。

(2017年9月2日夕刊より)

▼信号登場1世紀 進むLED化
 兵庫 導入ワースト4位

 日本の道路に信号機が登場して約1世紀。電球からLEDに光源が切り替わるなど、信号機は技術や社会情勢の変化に合わせて進化してきた。
 当初は警察官が表示板を交換するなど手動で操作。ライトを使った自動信号機は1930年、東京の日比谷交差点に初めて設置された。青灯に「ススメ」、黄灯に「チウイ」、赤灯に「トマレ」と文字が書かれていたという。
 その後、60年代半ばまでに、「押しボタン式」や「車両感応式」などが導入され、視覚障害者への対応も進むなど、現在に近い形になった。
 一方、94年にはLED式が登場。電球式に比べ見えやすいことに加え、消費電力が4分の1以下とされるなど運用コストも低く、全国で普及が進む。ただ、雪が付着しやすいなどの課題もあり、東北や北陸などでは対策が検討されている。
 兵庫県警によると、県内では98年にLED式の導入が始まり、全約8万4千基のうち、約32%がLED式(5月末現在)。LED化率は全国都道府県のワースト4位で、「今後、切り替えに力を入れていく」としている。

(2017年9月2日夕刊より)

記事にあるLED信号機の試験設置を伝える記事です。

(2001年12月11日付朝刊より)

明るさだけでなく、新しい機能が加わった信号です。
15年前の記事です。

残り時間を示す信号機
歩行者のイライラ解消?
豊岡に設置

 待ち時間の目安を知らせる新型の歩行者用信号機が4日、兵庫県内で初めて豊岡市内に設置された。神戸市内に同様の装置を外付けした信号機があるが、新型は、赤、青の信号そのものに機能がつけられている。
 県警交通規制課によると、新型信号は砂時計のように、時間とともに目盛りが消えていく。信号待ちのイライラ感を減らす上、青信号の経過時間も分かるので、横断できるかどうかを判断できる。LED(発光ダイオード)式で省エネにもなるという。
 この日は、豊岡市の大手南交差点に設置された。5日には神戸市灘区の海星女学院前交差点、11月中旬ごろまでに西宮市北口町の北口町交差点にも設けられる。同課は「通学路や商店街などそれぞれに特徴があり、効果を検証した上で県内に拡大したい」という。

(2007年9月4日夕刊より)

歩行者のスマホへ情報を伝える信号もあります。

視覚障害者に「赤です」「青が間もなく終了です」
信号の色 スマホで伝える
神戸、尼崎の11交差点
兵庫県警導入 振動、音声で横断サポート

 信号機の色が手元のスマートフォンで分かる―。目の不自由な人や高齢者らが安全に横断歩道を渡れる環境づくりを進めようと、兵庫県警が昨年末、新たなシステムを神戸、尼崎市の計11カ所に導入した。信号機に設置した通信装置とスマホアプリが連動し、信号の色や切り替わるまでの時間などの情報を音声や振動で通知。3月までに20カ所に増える予定で、その後も設置場所の拡大が検討されている。
 「南北方向が青。東西方向が赤」「南北方向の青が間もなく終了します」―。
 昨年末、神戸市中央区の湊川神社西交差点で開かれた体験会。参加した視覚障害者約10人が交差点に近づくと、スマホが音声で信号の色を知らせた。西宮市の男性(75)は「音声で言ってくれるのは分かりやすい。使いこなせれば便利になると思う」と期待した。
 支援システムは、スマホアプリの「信GO(しんゴー)!」をインストールして、位置情報を共有する設定にすれば、対象の信号に近づいた時に振動し、音声と画面表示で「赤」「青」の色などを伝える仕組み。一部の信号機では青色の時間を延長できる機能もある。
 アプリを開発した日本信号(東京)によると、近距離無線通信「ブルートゥース」を利用しており、スマホの機種によっては約10メートル離れた場所からでも情報を受信するという。
 県警によると、県内には「ピヨピヨ」や「カッコー」などの音でどの信号が青になっているか知らせる音響機能付きの信号機が462カ所にある。ただ、近隣住民への配慮や利用実態などから、音が鳴るのは午前7時~午後8時が大半で、24時間対応の場所はないという。
 支援システムは警察庁が全国で整備を進め、近畿圏内では兵庫県の設置が初めて。県警と視覚障害者団体などが協議し、福祉施設周辺の設置を優先しており、神戸市中央区の市立総合福祉センターに近い神戸駅前交差点や、尼崎市の総合医療センター前交差点などに置かれている。
 昨年末の体験会では、期待感を口にする参加者が多かった一方、改善を求める声や要望も。「一人でスマホを操作するのは難しい」「設置場所を増やしてほしい」「人混みは周囲の気配で渡れるので、人通りがないところに設置して」などの声があった。
 県内では3月までに神戸市兵庫区と西区、姫路市の計9カ所に新たに導入される予定。県警交通規制課は「設置による効果や要望などを踏まえ、今後も設置場所を増やしていきたい」としている。

(2022年1月19日付朝刊より)

正常に動くことが当然の交通施設ですが、落雷や災害時の停電でストップしてしまうことがあります。

台風接近による停電で信号機が点灯しない交差点=2018年9月、芦屋市陽光町

停電時でも役立つのが手信号です。

大規模停電に備え 手信号覚えて
加古川署員と手順確認
7月の落雷 東播35カ所以上で信号機消える

 運転免許を持っている人なら、教習所などで一度は教わったはずの手信号。東播地域では7月、落雷によるとみられる大規模な停電で信号機が相次いで消え、加古川、高砂両署員が、その手信号や誘導灯で交通整理に当たった。本格的な台風シーズンに入り、停電で再び信号機が消えてしまう恐れもある。万が一に備え、加古川署員と手信号の意味を復習しておきたい。
 手信号は、災害などで信号機が作動しなくなった場合、交通整理が必要な交差点に警察官が立ち、走行する車に対して進行や停止の合図を送ること。
 まず、両腕を横に伸ばしたポーズ=写真【1】=は、警察官の正面と背中側が赤信号を示す。腕が伸びている方向に進めるため、運転手には警察官の指先など体の側面が見えることになる。
 両腕を真上に伸ばしたポーズ=写真【2】=は、黄色信号。直後、警察官は笛を吹きながら左右いずれかに90度回転し、進行方向を変える。手信号の秒数は、交通量などに応じて変化する。

(2021年9月9日付朝刊より)

<播州人3号>
問題―。横型信号のうち、赤が点灯するのは右、左のどちら?毎日のように見ていますが、改めて問われると自信が持てません。正解は。歩行者用の場合、上が赤になります。赤を目立つ場所に置き、ドライバーや歩行者の視認性を高めるための工夫のようです。

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