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そうだ聖地、行こう。

春めいてきましたね。はじめまして、「ぶらっくま」です。
春風が心地良い季節、ぶらりと出かけたくなりますね。

というわけで(強引に)今回は、アニメ好き(濃度薄め)である私が、兵庫県内にある人気アニメゆかりの「聖地」を過去記事からご紹介します。

「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズ(西宮市)

西宮北高校の校舎=2022年7月、西宮市苦楽園二番町

アニメファンには言わずと知れた京都アニメーションの大ヒット作「涼宮ハルヒのゆううつ」シリーズ。原作も、全世界でシリーズ累計発行部数2千万部を突破し(2017年12月時点)、ライトノベルの金字塔とされます。

原作者は西宮市出身で、西宮北高校(同市苦楽園二番町)を卒業した作家・谷川ながるさん。作品のモデルとなった同校や市内の喫茶店、時計台といったスポットは、国内外のファンが足を運ぶことで知られます。

にしきた公園(北口駅前公園)の時計台=2016年11月、西宮市甲風園1

 西宮市内にある純喫茶風の喫茶店は、ハルヒが好むアイスエスプレッソを出す店として知られる。店主の男性は「2006年のテレビアニメ化以降、店内外で写真を撮る人が激増した」と話す。
 店の人気に拍車をかけたのが、10年7月に登場した「メロンクリームソーダ」だ。登場人物が喫茶店で飲んでいたため、メニュー化の要望が上がり、ファンの常連客が提案。熱意に押された店主は、アニメの画像で、グラスやアイスクリームの盛り付けを忠実に再現した。ゼミの研究の一環で来店する学生や、韓国や台湾、米国などの観光客も多い。
                ◇   
 作品中の「北高校」とされる西宮北高校。西門は、休日になると、カメラを手にした中高年や外国人らファンでにぎわう。大半は外観を眺めるだけだが、10年、グラウンドに白線で巨大な「SOS」が書き残され、同校は西宮署へ届け出た。「トイレを借りたい」といい、勝手に校舎内を回るケースもあった。同校側は戸惑いを隠せず、「基本的に関係者以外の立ち入りは断っている」と、ホームページを通じて呼び掛ける。

〈「涼宮ハルヒ」シリーズ〉県立高校を舞台に、退屈な学校を変えようと、ハルヒは宇宙人などを探すクラブ「SOS団」を結成。未来人と宇宙人の団員らとともに、現実の学校生活と、超常現象を体験していく。03年の「涼宮ハルヒの憂鬱」を皮切りにライトノベルのシリーズが発売され、テレビアニメ、ゲーム、映画も公開された。

2011年7月4日付朝刊 阪神版より抜粋

上記の記事から12年近くがたちますが、「聖地」の求心力は健在です(近隣住民や学校に迷惑をかけるのはファンとして論外ですが・・・)。「アニメツーリズム協会」(東京)が国内外のアニメファンの投票を参考に選んだ「訪れてみたい日本のアニメ聖地88 2023年版」でも兵庫から、宝塚市の手塚治虫記念館とともに選定されました。

また悲しい記憶ですが、19年の京都アニメーション放火殺人事件の際には、国内外で愛される作品の力が改めて注目を集めました。西宮では追悼行事や同社への募金活動も行われました。

昨年夏には県立高校の再編で、西宮北高校が西宮甲山高校と統合されることが発表され、ファンにも反響が広がりました。その後、新校の場所は西宮北高とすることが決まりましたが、もう一方の西宮甲山高の在校生、卒業生らの心境や、背景にある少子化などを考えると、複雑な思いもよぎります。

「すずめの戸締まり」(神戸市)

作中のスナック「はぁばぁ」とよく似た建物がある二宮商店街の一角=神戸市中央区琴ノ緒町4

昨年公開されたアニメ映画「すずめの戸締まり」。「聖地巡礼」ブームを呼んだ作品「君の名は。」(16年)を手がけた新海誠監督の最新作です。

 同作は、高校生のヒロイン岩戸すずが災いを招く「扉」を閉めながら、全国を旅するロードムービー。地震が大きなテーマで阪神・淡路大震災があった神戸も重要な舞台として登場し、鈴芽は街の人たちと心を通わせ、成長していく。
 旅の途中、鈴芽は神戸に住む女性二ノ宮ルミと出会い、神戸にある「九宮筋商店街」へ。そこで、ルミが切り盛りするスナック「はぁばぁ」で一晩を過ごす。通りの雰囲気は、JR三ノ宮駅に近い二宮商店街(神戸市中央区)の一角にそっくり。でも、現地にそのスナックはない。
  「そこは確か、果物屋さんだったね。何十年も前の話だけど」と、近所の精肉店。映画の公開後、カメラを持った若者の姿を頻繁に見るようになった。「にぎやかになるだけでもありがたいな」

2023年1月11日付夕刊より抜粋

リアルな描写にこだわる新海監督。スナックのママの声を担当した女優・伊藤沙莉さんの「神戸弁」もリアルでナチュラルでしたね。

ほかにもJR新神戸駅など、神戸の風景を見慣れた人なら「あっ」と反応する場面がいくつも。まるで映画公開に合わせたような、こんな出来事もありました。

掬星台から眺める夜景と「リアルすずめの戸締まり」?=神戸市灘区摩耶山町
※現在は「扉」はありません

 鈴芽は山中の古びた遊園地で、扉を閉めて災いを封じ込める「戸締まり」に挑む。この遊園地も実在しないが、交流サイト(SNS)では、アトラクションの形状や配置から道の駅「神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」(同市北区)の遊園地「神戸おとぎの国」ではないかと推測する声も。
 もしやこの夜景は―と、神戸市灘区の摩耶山頂付近の展望広場「きくせいだい」を訪ねた。居合わせた観光客が言った。「すずめの扉あるやん」
 視線の先に確かに「扉」があった。スマートフォンで検索すると、昨年11月に神戸市が設置したものだと分かった。観光客は「映画に合わせた粋な計らいやね」と大喜び。実はこれ、同市などが記念撮影スポットとして各地をPRする企画「Door to KOBE」の一環。担当者は「映画に合わせたわけではなく、たまたまのタイミングだが、楽しんでもらえているようで」。 

2023年1月11日付夕刊より抜粋

「機動戦士ガンダム 水星の魔女」(加古川市)

ガンダムに登場したと話題になった浜の宮市民プール=加古川市尾上町口里

最後は「聖地」と呼ぶにはやや微妙ですが・・・。1月まで放送されたテレビアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」(MBS/TBS系)からです。

 「機動戦士ガンダム 水星の魔女」で、加古川市の実在の場所に酷似した風景が登場し、SNSで話題となっている。「加古川がガンダムの聖地に」と驚く声も上がる。
 似た場所が登場したのは、第10話「巡る思い」。荒廃した地球の光景として、スライダーのあるプールや、鹿が線路の草を食べている駅、渡り廊下のある学校などが出てくる。
 プールは浜の宮市民プール(同市尾上町口里)に似ており、赤、黄、青のスライダーの色まで同じ。上空から俯瞰する形で登場する学校は浜の宮小学校(同)、駅は山陽電鉄浜の宮駅(同)ではないかとされた。

2022年12月23日配信「神戸新聞NEXT」記事より抜粋

荒廃した地球・・・手放しで喜べない描かれ方ではありますが(汗)。「一体なぜ?」という疑問も含め、反響は大きかったようです。こんな反応もありました。

ガンダムに登場したと話題になった山陽電鉄浜の宮駅=加古川市尾上町口里

 加古川市の岡田康裕市長も、自身のフェイスブックで「機動戦士ガンダム『水星の魔女』で加古川市の浜の宮市民プールや浜の宮駅が出てくる、みたいな話がSNSで話題になっているようですが…」と言及した。
 岡田市長は、加古川市内で開かれた東播懇話会のあいさつでもこの話題を紹介。劇中に登場した二つのキーホルダーについても「よく見ると(加古川名物グルメの「かつめし」のPRキャラクター)『かっつん』と『デミーちゃん』に似ているんです」とアピールした。

2022年12月23日配信「神戸新聞NEXT」記事より抜粋

・・・言われてみれば、顔の輪郭と色は似ているような・・・。それにしても、スレッタがミオリネに贈ったペアのキーホルダーに着目するとは、市長もハマってたんでしょうか、ガンダム。

ちなみにこの作品は、ガンダムのテレビシリーズでは初めて女性が主人公で、時代変化を映した内容でも話題を呼びました。「シーズン2」が4月から放送予定で、今後の展開はもちろん、「再び加古川が登場するのか」も(局地的に)注目されます。

<ぶらっくま>
1999年入社、神戸出身。観光振興の観点で語られることが多い「聖地」ですが、見慣れた光景が新鮮に感じられる効果もありますよね。実写作品のロケ地しかり。神戸、兵庫が舞台の作品は気になります。
ロケといえば若かりし頃、信州で撮影されたドラマ「白線流し」で「神戸からの観光客」というエキストラをしたのを思い出しました。もちろんそんな設定は劇中に登場せず、ぼんやり映っただけでしたが、青春時代の小さな思い出です。