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【広報紙ながた8月号+α】頑張りすぎない、楽しい地域活動~五位ノ池地区の子どもたちのための活動

五位ノ池地区で、五位の池小学校PTAの会長、長田地区青少年育成協議会(以下、青少協)の五位の池支部の支部長として子どもたちのための活動に取り組んでいる名越 正一さんにお話しをお伺いしました。
直接会わなくてもコミュニケーションがとれるこの時代にこそ、名越さんはいろいろな活動を通じて子どもたちと面と向かって話すことの大切さ、地域の人とのめぐり逢いの大切さを感じているとおっしゃいます。

みんなで助けあって楽しく活動しよう

-記者-
名越さんは長田区青少年育成協議会(以下、青少協)の五位の池支部長として活躍されていますが、どのようなきっかけで活動を始められたのでしょうか。

-名越さん-
五位の池小学校PTA会長として青少協の活動にも参加することになりました。前任者は20年以上も支部長として精力的に活動されてきた方で、4 年前に定年を迎え退任されました。私はその後ろ姿をずっと見てきて、この活動をなくしてはいけないと引き継ぐ決心をしました。

-記者-
PTAの会長もされているのですね。PTA活動の負担が大きいため、最近ではPTAがなくなる小学校が増えていると聞きます。そのような中、PTA会長と青少協支部長を兼任されているのは大変ではないですか。

-名越さん-
実は、PTA、青少協ともに私ができることってあまりないんですよ。役員の皆さんが頑張ってくれるおかげでいろいろな活動ができています。本当に感謝しかありません。
ただ、皆さんが頑張りすぎないように気をつけています。皆さんの家庭、子ども、仕事は地域活動より大切です。地域活動は皆さんの都合のいい時間だけでいい、都合がつかない時は他メンバーがフォローすればいいのです。お互いに助け合って、楽しく活動しようというのが私たちのモットーです。PTA行事は開催するたびに保護者の皆さんにもボランティアを募って協力してもらっています。
いろいろな行事が重なって体が疲れることはありますが、子どもたちの笑顔を見ると疲れが吹き飛びます。だから続けていられるのだろうと思います。

-記者-
地域活動はしんどい、つらいというイメージが強いせいか、地域活動の担い手がどんどん少なくなっています。そのような中、皆さんがモットーとされている「頑張りすぎない」、「楽しく活動する」という姿勢はこれからの地域活動のヒントになりそうですね。

ふるさとへの愛着を育てるために

-名越さん-
保護者のボランティアの方のほとんどは五位ノ池地区で育ち、大きくなって一旦ここを離れ、またここに戻ってきた人たちです。その人たちの話を聞くと、子ども時代に楽しい思い出があるから、この地にふるさととしての愛着を感じています。これは、先人の皆さんが昔から子どもたちのためにいろいろな活動をされてきた成果だと思います。
自分の子どもたちにも五位ノ池で楽しい思い出をいっぱいつくってもらいたい、でも一人では楽しくないですよね。だから、みんなで一緒に楽しいことを共有しようということが私の活動の原点です。

-記者-
なるほど、地域の行事を通じて、子どもたちがふるさとへの愛着を育んでいくわけですね。地域の行事にはどのようなものがあるのですか。

-名越さん-
季節ごとに各地域団体が主催する行事があります。主催団体が違っても、結局はいろいろな地域団体が一緒になって運営しています。

まず春は「五位の池フェスティバル」です。子どもみこしが地域を練り歩き、五位ノ池小学校に戻ってきます。小学校のステージでは、今年は長田高校生のコーラス、学童保育の児童たちのよさこいソーラン、グリーンコート新生の子どもたちの空手、保育園児による踊りなどが披露されました。

子どもみこし

夏は「スマイルフェスタ」です。各地域団体のほか、神戸常盤大学の皆さんがいろいろな遊びのブースを出してくれるほか、ボランティアに関西国際大学の学生の皆さんが来てくれます。今年は小学校の校長先生の協力でドローン体験会も予定されています。いつも200名くらいの子どもたちが遊びに来ます。

空き缶たおしゲーム
ヨーヨーつり

秋は「ハロウィンキッズ」です。子どもたち、スタッフともに仮装して楽しんでいます。仮装大賞も選ぶので、皆さんの仮装もいろいろな工夫が凝らされていますよ。

仮装でインタビュー

冬は「とんど」です。「とんど」で燃やす竹組みは地域の高齢者の方が指導してくれます。これはかなりの技術が必要です。その技術をみんなで受け継ぎ、さらに次の世代に引き継いでいきたいと思っています。同時開催の「防災訓練」では炊き出しのふるまいもあります。

とんど

そのほかに、小学校の登校児童への「あいさつ運動」にも取り組んでいます。地域の協力者の皆さん20~30人があいさつをしてくれるので、子どもたちは安心して登校できます。毎年、五位の池小学校の子どもたちから協力者の皆さんへ感謝の手紙も贈られます。

子どもだけでなく、お母さんも元気でいてほしい

-記者-
まさしく五位ノ池地区の地域力が感じられる活動ですね。
名越さんはこのような地域活動以外に、個人的な活動として子ども食堂を運営されていると聞きました。

-名越さん-
2年前に民間企業等の助成金を活用して子ども食堂「しゅうしんこう晴天食堂」(毎月第一日曜11:00~14:00)をオープンしました。気軽に訪れることができる子どもの居場所の一つになればいいと思っています。
最初はなかなか来てくれる子どもがいなかったのですが、地域のお母さんたちがボランティアで参加してくれるようになってから口コミで広がりました。
子ども食堂を通じてお母さんどうしが顔見知りになったおかげで、子どものケンカのトラブルが無事に解決したこともあるんですよ。
それに子どもたちが元気でいるためには、まずお母さんが元気でいなくてはいけませんよね。そういう意味では子ども食堂は子どもだけでなく、お母さんたちが愚痴をこぼし合ったり、悩みを相談できるお母さんの保健室のような場所にもなっていけばいいと思っています。

しゅうしんこう晴天食堂カーニバルで福笑い