(夢日記)2021年10月27日。

たぶん100年くらい前のアメリカ。じぶんはディズニーアニメ風のじいさんになってる。けどたまに元の年齢に戻る。
 村はずれを流れる川の下流へ興味から降っていくと、奇妙な声が聞こえる。誘われるように進んでいくと、川がそのまま滝になって落ちる崖淵に行き着く。そしてまた聞こえる声。ほとんど興奮状態になっていると、うっかり足を滑らせてそのまま滝壺に落下。
 しかし夢の中のじぷんは丈夫で、ほとんど無傷のまま水から揚がってくる。そしてそれを迎えたのは、おそらく声の主であろう小太りの少年。ボーイスカウト風。そして真っ黒なジャーマン・シェパード犬。後ろに隠れていたいたものの少年に呼ばれて出てきたダニエル・グレイグ似の猟師。
 この2人と1頭は人間ではないらしい。しかし幽霊でもない。一種の精霊のようなもの。少年と並んで森の中を歩くと、この森の不思議について話してくれた。さっき滝になっていた川は、滝壺からまた一本になって流れ出し、それを辿るとやがてまた同じ滝へと繋がるらしい。つまり、大きな円環を描いて森を囲むように川がひとつなぎになっているそうだ。
 しばらく歩くと左手の向こうに草原が見える。じぶんたちはあくまで森の中にいるが、それを眺めながら進む。草原にはたくさんの大きな豚がいた。豚嫌いなじぶんでも、あの豚たちには思わず「きれい」と言ってしまう。ふと振り返ると、シェパード犬がいつのまにか真っ黒な馬に変身していた。傍に寄せて一緒に歩く。少年とじぶん(もう老人ではなかった)、そして馬が並んでいる。20メートルうしろにはあの猟師が付いてきていた。
 夕暮れになると、空がとても美しくなった。夕日はとても大きくて、地平線の近くを走り去る馬たちの影が近くまで伸びていた。
 じぶんも少年たちに仲間入りしたいと言う。少年は承諾してくれた。しかしそのためには、1番古株の精霊が消えないといけないらしい。それはあの猟師だった。
 いつのまにか風景は現代の日本、しかも地方の田んぼの畦道になっている。道の脇にはなぜか一台だけ電話ボックスのようなものがあった。少年はそれに入る。そして受話器から何か命令を受けている。猟師は宇宙服みたいなものを全身にまとっている。どうやら受話器から少年は質問を受けていて、それにうまく答えられなかったら猟師は死ぬほどの苦しみを受けるらしい。
 それをじぶんは見たくないから、馬と一緒に一本の木の影に隠れていた。少年は何問も間違えてしまう。猟師の着ている宇宙服からは、かなりの量の血が漏れていた。
 その様子を見かねたのか、いままでいなかったのにどこからかオッさんたちが現れてくる。彼らも精霊なのだろうか。多分違う。ただのオッさんだ。少年が言い淀んでいる質問を代わりに聞くと、スラスラと答えていく。うまく答えられているのか、猟師はみるみる回復していく。なんだ、犠牲にならなくても、ゲームに勝てば大丈夫だ。と安心した。
 しかし最後の質問で、オッさんたちも口を閉じた。難しいらしい。時間が流れる。猟師はすっかり元気になり、どこかへ帰ろうとしている。少し遠くで、こちらに手を振っていた。
 みんなが緊張していた。しかし受話器からひとこと、「じゃあな!右翼ども!」と聞こえた途端、猟師ではなくじぶんの傍いた馬の頭が何かに撃ち抜かれた。当然、即死だ。返り血を浴びてじぶんは血まみれになっている。猟師はまだ遠くで笑って手を振っていた。
 頭の中で、いきなりここにいる人たちの過去が見えてきた。少年も猟師も馬も、当然じぶんも、忘れていただけで昔は右翼だった。森の精霊になる以前は右翼だったのだ。しかもかなり過激な右翼だった。馬の頭を撫でながら、その場に立ち尽くした。
 ここで目が覚める。現実のじぶんは当然右翼ではないが、今朝はいつも以上におかしな夢を見た。別に悪夢ではない。怖くはなかった。

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