踊る絵本 あけみママ@ピカイチ

片方の欠落 により二者のうちの片側/
地平線の端が中央になるとき
失われたもう片側が
それでもイコールで結ばれている、
地獄で生まれた(地上で亡くした)兎の眼の
反射して白いところ(透明さがゆえに)
デッサンのなかで練り消しの白で表されるところ、
兎の痴呆さが誰もが清涼と間違えて(透明さ)
誰もがそのうちの一人に
私がいることを
(花で隠された顔)
(花の意志ではないことが)
「100万人のなかから君を見つけた」と言われても
地獄の中の愚かな人々のうち、
その練り消しの白と
かれが不在であることの空白と
あやうくイコールで結びそうになる、
(透明さの続く回廊の奥で我々の子供が遊んでいて)
下北沢の駅前、
さよならしたあと後ずさる、
(世界の端の中央、)
離れていく距離がイコールの橋渡しだ
(あの日あなたの母親は橋の中途で振り返った)、
ジャコメッティのように
空間のなかで
番がりながら、
誰かの腕(かいな)により
花で覆われた私が
(葬儀の日、やっと会えたと呟き)
白さと不在さを 混同し始める、

ジャコメッティの影が夜道の道路を通る車により
幾重にも伸びて
その繰り返しが
あなたを愛したり 憎んだりすることの
矛盾の数を 数えていた(それだけだ)、
あの日 冬の海でロザリオを手繰りながら、父は
「数えることは祈ること」
と教えてくれた、(誰かに)
誰かの記憶を未だ覚えている、
(誰の父親だったのだろう)
あなたの母親の胸元の白さが圧倒的で
光を空白と間違えたように
我々は無に抱かれている、
私の夫の昔の恋人には亡くした男がいるのだと
私もわからないほど愚かではない、
夜道 あなたと向かい合い
影を何周もさせながら測っている、
矛盾の数、破綻の深度、愛の張力、
バーでミルクを注文するように
あなたの母親からスピリタスをご馳走になりたい、
一風変わった駆け落ちだ、
ふるさと(という名の時間)のないもの同志、
確かにす総てだった有限の外側で
影は伸び 周り
また影が ぐるぐると終焉らないー  

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