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逆境の資本主義

「逆境の資本主義」という日本経済新聞の連載ものの記事の一つです。

記事中に、

「ROE神話」の暴走が根底にある。「株主のための利益追求」が資本主義における企業の責務だと米経済学者ミルトン・フリードマンは1962年の著書「資本主義と自由」で主張した。この考えが米国などで広がり、株主のためにいかに稼いだかを示すROEが重視されるようになった。

とありますが、企業の責務は自らの価値を最大化させることであり、利益を稼ぐことやROEを高めることは、あくまでそのための手段であると思います。
価値を最大化させることとは、将来的に稼ぐキャッシュを最大化させることであり、長期的視点に立った考え方が重要です。
結局のところ、物差しは「お金」になってしまいますが、それ以外の有効的な指標は今のところ見当たりません。(もっとも、この記事にあるように「新たな会計基準」ができれば、また見方も変わるのかも知れませんが。)

将来に向けて安定的にお金を稼ぐためには、今の時点で未来に向けた活動は必須であり、環境問題解決など持続可能な社会実現に向けた取り組み(※CSR的なものではなく、あくまでお金を稼ぐビジネスであることが重要、と私は考えます)が株主に評価されることが重要であり、現にESG投資のような考え方が広がるなど、そのような兆候があることが見えます。

米経営者団体、ビジネス・ラウンドテーブルは株主第一経営を修正すると宣言したようですが、私は株主第一主義でも良いのではないかと思っています。
ただしそのためには、株主は目先の短期的な利益を求めるのではなくより長期的視点を持つことが重要であり、企業もまた将来に向けた長期的ビジョンを示す必要があります。


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