ショートストーリー チーズバーガー

濃厚なコクのチーズと酸味の爽やかなケチャップ。
黄色と赤のパワフルカラー。
そこへ食感の良いピクルスと肉厚ビーフが加われば、何も言うことなどなくなる。

トロッと肉に沿って溶けているチーズが視覚的にも、嗅覚からも食欲もそそる。
後ろから美味しい部分がはみ出さないように、しっかりと手で挟んでガブリ。
カントリー調の内装のカフェは、真新しい家具の匂いとハンバーグの焼ける匂いが混じっていた。

女性店主の可愛らしい顔立ちとカフェの外観に似合わず、出てきたチーズバーガーは肉厚でワイルドなものだった。
ただ、チェーン店では味わえないボリューム感と手作りのこだわり。

そして、カウンター越しに自信満々に肉を挟む店主。
客が商品を受け取ると、数あるチェーン店と同じ「ありがとうございました」の掛け声。
だけど、声のハリも満ち溢れる自信やエネルギーは、チーズバーガー同様、全くの別物だった。

一瞬でこのチーズバーガーの虜になり、彼女に憧れ、僕は今日も足繁く通う。

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