ショートストーリー 長芋の梅おかか和え

シャキトロの長芋にシャキッと目が覚める梅肉。
寝る前の晩酌なのに、梅の酸味は目を覚ませと私を呼ぶ。

一週間のご褒美に日本酒。
それが私の週末。
疲れた体に鞭打って、へべれけになる。
メイクも落とさない。
風呂も明日。
でも酒には手を伸ばす。
友達はだらしないと言う。
酔った勢いで、お互いに突き放した言い方をすることもある。

そんな関係でも、真夜中に電話がかかる。
すすり泣く友達の声。
彼女の話は興奮して、支離滅裂。
内容の半分も理解できない。
だけど、彼女の緊急事態であることは酔った頭でも理解が追いついた。
酔い覚ましと眠気覚ましに、酸味のキツイ長芋の梅おかかを飲むようにかきこむ。
急激な酸っぱさに涙が滲んだ。

それでも、へべれけだった頭はスッキリして、真っ直ぐ友達の家まで駆けていけた。

沢山の記事の中から読んで頂いて光栄に思います! 資金は作家活動のための勉強(本など資料集め)の源とさせて頂きます。