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逆効果にしない【エクスプレッシブライティング】スタートガイド

最強のメンタルコントロール法は何か?

たくさんの手法がある中でも有力視されているのが『エクスプレッシブライティング』でしょう。

なんせ研究の数が多く、ほとんどがいい感じに成果の出る結果になってます。

1980年代にジェームズペネベーカー博士によって提唱された手法で、メンタルの改善だけではなく、認知機能までアップしちゃうすごい方法。

(簡単に言えば「頭良くなる」ってこと)

Putting stress into words: Health, linguistic, and therapeutic implications
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/0005796793901054

博士本人の論文です。よかったらどうぞ。

さて、今回はそんなエクスプレッシブライティングを徹底解説していきますよ!

エクスプレッシブライティングのやり方

・20分間、紙に感情をひたすら書く
・四日間ほど続けてみる

はい、たったこれだけ。極めてシンプルっすね。
とはいえ、疑問もあるでしょうから細かい補足をしておきましょう。

エクスプレッシブライティングはなんで効果あるの?

私達は悩んでいる時、頭の中が混乱しています。

一つのことを考えているならまだしも、心配事が3つ4つくらいになってくると「あれもこれも・・・うわー!!!!」ってなりませんか?

実は人間って「一度に思考できる量」が限られているんですよ。だからいろんな「気になるもの」を頭に置いておくとキャパオーバーしちゃう。

そこで、書くことで外に吐き出してしまうわけです。

実際、書いてみると意外な事実に気が付きます。

ポイント1「意外と悩みは多くない」

書き出してみると、思ったより悩みって多くありません。

少なくとも、書き出す前よりもクリアになっているし、正体がはっきりします。

頭の中にモヤッとしたイメージだけで持っていると、必要以上に「大きい問題だ」と感じてしまうんですね。だから書くことは効果が高いんです。

ポイント2「言語化でまとまる」

言語化すると感情が整理できる、ってのは先日も紹介したとおり。よかったら動画もチェックしてみてください。

要するに、イメージでしかなかった悩みや不安を『言語』という形に落とし込まないと書き出すことはできないですよね?

だから書こうと頑張ると自然と「言語への落とし込み」ができて「悩みに輪郭ができる」んです。

ポイント3「感情が目に見える物質になる」

メンタルコントロールにおいて大切なポイントは大体共通しています。

『感情と距離を取る』コレに尽きるでしょう。

感情を紙に書く、ということは『自分と切り離された存在』になるってことです。つまり感情から距離を取る効果がものすごく高い。

俯瞰視点から感情を観るのに最適な方法なんですね。

エクスプレッシブライティングQ&A

・紙じゃなくて、スマホやPCでもいいのか?
→OKです。ただ、紙のほうが刺激が多いのでオススメ。

・字が汚いんだけど・・・
→誰に見せるでもないので問題ないっす。

・罵詈雑言ばっかり思い浮かぶんだけど、大丈夫?
→考えたことならなんでも書いてOK。大丈夫です。

・どんな紙がいいの?
→書ければなんでも大丈夫ですが、大きめの紙をオススメします。空白が多いと考えがたくさん出てくるので。

こんな感じ。
次はコツを紹介しますね。

エクスプレッシブライティングのコツ1『テンションの上がる道具を使う』

書きづらい道具はやめましょう。スラスラ筆が動いて、書いてるだけでテンション上がるようなツールを揃えると効果的。

高い道具である必要はありません。

安いボールペンで一押しはコレ。

ノートは普通にコクヨとかでいいかと。

エクスプレッシブライティングのコツ2「書くものがない!でOK」

正直、20分も考えがスラスラ出てくる人は少ないです。なので「書くことない!」ってなってOK。

「書くことないなー」と書いちゃっても問題ありません。

大切なことは20分間一生懸命やって『全部出しきった』感覚になること。

もし、1分しかやらなかったらどうでしょう?
確かにスラスラ書けると思いますが、『まだありそうだな・・・』って感覚ありません?

20分空っぽになるまで書く、コレが大切です。

エクスプレッシブライティングのコツ3『悩みを展開する』

書けるようになってきたら、悩みを広げてみることをオススメします。

・この問題は人生にどれくらい影響がでるだろうか?
・この問題は何が原因だろうか?

上記のようなポイントを考えて『影響範囲』をひねり出すとより効果的。

エクスプレッシブライティングは悩みの棚卸しがキーポイント。じゃあ、その影響範囲まではっきりさせちゃおうよ、ってのが「悩みの展開」。

思っていたよりも影響が小さかったり、範囲が特定できたりすることで具体的な対策が立てられたりします。とにかく見える化させることが大切ってことですね。

意識しておくといいでしょう。

なお、悩みの展開にめちゃくちゃ有益な本がこちら。

中盤に載っている『抽象化と転用』が本当に参考になります。よかったらぜひ。

「悩みを紙に書く」は逆効果!?

エクスプレッシブライティングに否定的な意見もありますので、紹介しておきますね。

だいたい『悩みが消えない』『忘れることができない』といった内容です。

確かに『紙に書く』行為は『記憶術』でもよく用いられるため、より強く記憶に定着してしまう効果もあるでしょう。そのため、一部否定的な意見もあります。

ただ、コレって方向性の解釈が違うからだと思うのです。

エクスプレッシブライティングは『悩みの棚卸し』をして『脳に余裕を作る』行為。『悩みの消滅』ができる手法ではないんです。

このあたりを区別しておくとより正確にエクスプレッシブライティングできると思うので、以下でまとめておきましょう。

エクスプレッシブライティングの注意点1『魔法じゃない』

『めちゃくちゃ効果高い』
『科学的にも根拠がある』

上記のように言われる事が多い手法なので、『エクスプレッシブライティングをしたら悩みが魔法のように消える』『生まれ変われる』と思ってしまう人が一定数います。

そんなことないんです。繰り返しますが、「悩みの棚卸し」が目的。自分の悩みを明らかにして、正体不明のモヤモヤ状態から対処可能な状態に持っていく行為です。言ってみればオバケの正体を明らかにするようなもの。

ズレた方向に期待してしまうと「効果がない」って苦しむことになるので、きちんと把握して取り掛かると効果的。

エクスプレッシブライティングの注意点2「効かない人もいる」

現代科学は『統計学』です。

『99%の人に効果が確認されました』ということは『1%の人には効果がなかった』とも言えます。

どんなに精度の高い科学的根拠があっても『例外』は必ずあり、それがあなたである可能性はゼロではありません。

つまり、効果がない可能性だって十分にあります。

確かめる方法は簡単。やってみればいいんです。幸い、危険な方法ではないですし、失敗しても紙とインクがちょっともったいない程度。とにかく試してみましょう。

自分にあう方法を探してみるのも楽しいものですよ。

効かなくても大丈夫

ストレス対策の世界では「コーピングリスト」「コーピングレパートリー」と呼ばれる考え方があります。
平たく言えば

・ストレス対策の方法はバリエーションをたくさん知ってるといいよ

こんな意味ですね。

仮に、『世界で一番効く方法』が効かなくても、2番目から100番目までの99通りを知っていた方がいいんです。

一つだけだと『コレが効かなかったら私はダメだ・・・』ってなっちゃいますけど、たくさん知ってれば『まだまだ他の方法があるぜ!』って思えますからね。余裕が違うんです。

なので、エクスプレッシブライティングが効果なかったとしても大丈夫。他の手法を試せばいいんですから。

気をラクに、色々試してみましょう。

[動画版]最強ストレス対策『エクスプレッシブライティング』3つのコツ・注意点も合わせて徹底解説!

以上です。動画でも解説してますので、よかったら見てみてくださいね!

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