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ポストファクトって知ってる?

ども、こばとーんです!

ポストファクトって聞いたことありますか? 日本語だと「ポスト真実」なんて言ったりするみたい。ここでは「ポストファクト」のほうがかっこいいからこっちで統一させてくださいね(笑)

これ、ドナルド・トランプさんが採用してる考え方のスタイルなんですよ。最近の社会を考える上で大切な概念なので押さえておきましょう。

また、発信活動を頑張る人には必須の考え方です。早速説明していきますね。

もはやファクトは存在しない

最近いろんなところで「ファクトチェック」と言う言葉を耳にします。

ファクト、すなわち「事実」をチェックしよう、ってことですね。専門家や大学教授に事実確認をしてもらい、そういったデータだけが報道するに値するものだ。とする考え方です。

しかし、世間のファクトチェックに関する意識はちょっとズレているように感じます。というのも、そもそもファクトが存在しない世界になってきているからです。

トランプさんも「この世界でファクトは意味が無くて、あるのはオピニオンの相違だけだ」と言ってるんですね。どういうことでしょう?

誰の目線か?

ファクトが存在しない? そんなバカな!

そう思いますか? 確かに、世界はちゃんと存在していて、そこで発生する現象に「事実」はあります。しかし、私達は事実をそのまま見ているわけではありません。かならず「解釈」をしながら理解しています。

心理学の世界では「バイアス」。クリティカル・シンキングの文脈では「スキーマ」と呼ばれる特性ですね。

例えば「名医として有名な大学病院院長を務める外科医」と聞いたら反射的に「50代くらいの男性」を連想してしまったりします。冷静に考えれば、若い女性だってあり得る条件です。しかしどこかしらに「解釈」が付随して物事を見てしまっているのが現実。これがバイアスやスキーマと呼ばれる特性です。

つまり私達は周囲の環境や感情に影響を受けながら情報をキャッチしているんですよ。

こと、時事ニュースになれば顕著。

『あの戦争は正しかったのか?』みたいな話題ですね。

これって、ファクトの確認が出来ないんですよ。まず、時間が経ってしまっていると物的証拠が紛失されていたりします。次に、歴史は簡単に改ざんされてしまう特徴があります。例えば「維新志士」って現代では正義の人扱いですけど、当時としてはクーデターを起こしたテロリストって解釈になるでしょう。後世の人が解釈して事実を構成しているのです。

そして、解釈や記憶は非常に不安定なものという点も押さえておきましょう。

個人の意見がファクトを作り上げるSNS時代

「私はひどい体験をした」「だからあの集団は悪だ」

よくこんな意見がネットでは出回りますよね。まことしやかに広がります。「ひどい!そんな事するなんて最低!」「そうだそうだ!」みたいにガンガン拡散する世界になっています。

冷静に考えれば、上記は「個人の意見」であり「事実」ではありません。

たまたま個人が運悪く遭遇しただけかもしれませんし、ひょっとしたら記憶を改ざんしている可能性もあります。虚言癖も疑っていいでしょう。

人間は正確に記憶を保持できる生き物ではありません。常に都合よく書き換えてしまいます。もちろん事実の可能性もありますが、そうでない可能性も同じくある。本来は両方の可能性を見るべきなのです。

しかし、頻繁に個人の意見が事実のように扱われます。なぜでしょう?

答えは『感情の揺さぶり幅』が大きいからです。

感じられるものが真実

『感情』は個人において紛れもない事実です。だって、実際に感じているんですから。

特に激しい感情に慣れば身体的にも感じることができます。汗を書いたり、胃のあたりに不快感を覚えたり、体で体験できる感情もあるのです。

それは、ただ情報として伝え聞く「ファクト」なんかよりずっと「真実味」があります。幽霊が見えている人に「幽霊なんていないよ」と伝えたところで無意味なんです。だって、見えてるんだもの。

つまり、『強く感情を揺さぶる情報』は『味気ない真実』よりも信じられる可能性が高い。そして解釈幅が広い情報はそもそも『事実』がない状況といえます。

『事実に近い、事実っぽい意見』
それが『ポストファクト』です。

ポストファクトと悪魔の証明

ポストファクトの厄介な点は、異なる2つの意見が「揚げ足の取り合い」をしやすい点にもあります。

現代において最もファクトに近いと言えるものは『適切な研究による結果』です。しかし、科学はかなり慎重な姿勢をとるので意見がタンパクになりがち。

「〇〇をしたら96%の人に効果がある」(そしてまだ研究が必要)

みたいな言い回しにならざるを得ない。なぜなら効果がない可能性も含めて考えるから。しかしポストファクト的な強調が強い人は言い方が違う。

「絶対に〇〇は効果がある」

どちらが効果的かは火を見るより明らか。後者だ。
そして、揚げ足は残り4%を突っつくことでいくらでもできる。

「△△さんには全く効果がなかったそうですよ!詐欺じゃないですか!」

こうやって「すべてウソ」みたいに否定が可能になる。ここでも結局『感情の振れ幅』が大切で、振れ幅が大きいほうがより真実っぽく捉えられてしまう。

証明不可能な内容を証明させようとする「悪魔の証明」みたいなものなのです。

結局クリティカル・シンキングが大切だよね

『感情を揺さぶる疑似真実』に振り回されないためには、やはりクリティカル・シンキングが大切になります。

本当にその話は正しいのか?
例外はないのか?
なにかしらの意図が働いていないか?

上記のように常に問いかけて行く姿勢がクリティカル・シンキング。日本語だと批判的思考と言われます。

クリティカル・シンキングができていれば無駄なポストファクトに振り回されることも減るでしょう。ぜひ、鍛えていきたいところですね。

先日読んだ本がトレーニングにとても良かったのでオススメしておきますね。よかったらどうぞ。

さて、ここからは情報発信とポストファクトについて掘り下げます。

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