百物語 第八夜
小さいおじさん、という都市伝説は多くの人が知っていると思う。
その名のとおり10センチから20センチ程度の大きさの中年男性が目撃されるというものだ。
この都市伝説をよくよく考えてみると疑問が浮かんでくる。
なぜおじさんなのか。
おばさんはいないのか、子供はいないのか、と。
この都市伝説が人口に膾炙する前、オカルト好きなら知っている程度の話として家に住み着く小人の家族というものがあった。
それがある時から、主にメディアを通して小さなおじさんの部分だけが一人歩きし、有名になった。
このことに関してオカルト好きたちは、有名な大富豪(これは具体名が出ていたが伏せておく)が小人の家族のうち女性型と子供型愛翫目的で私財のほとんどを費やし地下オークションで競り落としたと噂した。
確かにメディア王の彼ならば、小さなおじさんの話を一人歩きさせて、女性型と子供型の存在を隠蔽するように印象操作ができた。
荒唐無稽な噂話であるが、彼が死んでしまった今では確認のしようのないものである。
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