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ナチュラルワインとは  

 今やクラッシックワインもナチュラルワインも別々で認識し限定するのでは無く、双方良さがあり、個性があり楽しみがある「どちらでも選択肢があるワイン」だと私は考えます。
記事をご覧になる皆様には片方だけで無く、どちらも好きになって頂きたいです。

◯初めに

 飲食業について約6年、様々なワインと出会い何千種類のワインをテイスティングし勉強を積み重ねてきました。若い世代がこんなに沢山のワインと出会える事は無いと思います。環境に恵まれている事に本当に感謝しております。
 
 私は2 年前までナチュラルワインが苦手でした。ですがソムリエとして生きている中でワインそのもの研究していくとナチュラルワイン(自然派ワイン)は必ず通る道のりでした。

 勉強を重ねていくに連れてその個性と奥深さに魅了され感動までしました。
クラッシックワインとナチュラルワインどちらも兼ね備えたソムリエを私は目指しております。皆様に両方好きなってもらえることが私の仕事でもあるからです!

 その中でもナチュラルワインをより一層知って頂きたいので記事にまとめております。
 ペアリングでも多くのナチュラルワインをご提案させて頂きました、仕組みや要素を説明も次の記事でご説明できたらと思います。
今回はナチュラルワイン初級としてご覧ください!

◯なぜナチュラルワイン?

・フランス語では「Vin nature(ヴァン・ナチュール)」と言います。 
「ナチュラルワイン(自然派ワイン)」「ビオワイン」といった言葉に明確な定義はなく、使い分けも曖昧なのが実情です。

・「自然派ワイン」という表現は、可能な限り自然に寄り添い、自然の力を存分に引き出せるように作られたワインに使われることが多いです。ぶどうの底力を引き出し、それを最大限に生かしてボトリングをされているものが多いため、味わいがとてもピュアだったり、パワフルだったり、それまでのワインに持っていたイメージを覆してくれるのが大きな魅力です。

・醸造から瓶詰までは酸化防止剤の使用をなるべく少なめに抑える方法で作られたワインが自然派ワインです。 限りなく「自然」にこだわったワイン。

ブドウの育て方でも農薬など最低限必要な分だけ使う難しい技術に、自然に寄り添い可能な限り人の手を加えない製法です。
これから栽培、醸造についてご説明致します。

◯ブドウの栽培

・ナチュールワイン(自然派ワイン)に使用するブドウは、主に「ビオロジック農法」と「ビオディナミ農法」という2種類の農法から作られます。
「ビオロジック農法」は、農薬・化学肥料を使用せず、遺伝子組み換えを行わない、また、認証を受けた有機肥料のみ使用することができるという有機農法です。加えて、有機栽培を3年以上続けていないと認証を受けることができません。

 一方、「ビオディナミ農法」は、ビオロジック農法をベースとし、天体や植物・生態系との関連性を取り入れた有機農法です。オーストリアのルドルフ・シュタイナー博士によって提唱されました。
 ブドウ栽培の作業は、月と地球の位置関係や星座が記されたカレンダーに合わせて行います。さらに肥料は天然由来の「プレパラシオン」を使用することで、土壌の活性化や生態系とのバランスを保っています。「ビオロジック農法」よりも、さらに手間がかかった方法といえるでしょう。

■ 有機栽培について
・有機ワイン先進国のヨーロッパでは、「有機ワイン」にもさらにいくつかの分類があります。例えばフランスでは以下のようになっています。
リュット・レゾネ=減農薬農法。農薬や化学肥料の使用を最小限にとどめたもの。有機ワインとは表示できない。

ビオロジック=殺虫剤、除草剤、化学肥料の使用をしない。いわゆる有機農法。

ビオディナミ=ビオロジックの一種。哲学者シュタイナーの唱えた、月や天体の運行に合わせた農作業を行う農法。
自然に寄り添うように作られている「自然派ワイン」の中には、有機栽培されたぶどうのワインでないために「有機ワイン」とは表記できないものもあるのです。

◯醸造方法

・ぶどうの栽培方法の他、醸造方法において問題になるのが、亜硫酸塩の使用量と、酵母の種類の違いです。
 亜硫酸塩は微生物の活動を抑制し、かつワインの酸化を防ぐため、古代ローマ時代からワイン醸造に必要とされてきているものです。しかし、この亜硫酸塩の添加量を極力抑える作り手も出てきました。

・同時に、一般的に使われる培養酵母ではなく天然酵母を使うものや、加熱殺菌や香料の添加などを控えるワインも多くなっています。
こうした醸造方法をとっているワインや、有機ワインを大きく括って「ナチュラルワイン(自然派ワイン)」と呼んでいることが多いです。

・健康的で安全、といったイメージがあるナチュールワイン。その呼ばれ方は、ナチュラルワイン(自然派ワイン)からオーガニックワイン、ビオワインまでさまざまです。

・ヴァン・ナチュールは、農薬や化学肥料を使用せずに作られています。そのため、育ちのいい健康なブドウのフレッシュさが口いっぱいに感じられ、ブドウのえぐみも感じずに楽しむことができます。

また、無ろ過または軽いフィルターを通してろ過をしてから瓶詰めされることが多いため、ワインの色が濁っていたり瓶の底に澱(オリ)が溜まっていたりする場合があります。ですが、これはブドウのうまみがしっかりと凝縮されている証拠。品質的には問題ありませんので安心して飲めますよ。

◯亜硫酸塩について

・亜硫酸塩は現代になって添加されるようになった食品添加物ではなく、
ワイン造り創世記の古代ローマ時代には樽の消毒などに使われていた、
伝統的な酸化防止剤であること。

・亜硫酸塩を酸化防止剤としてワインに更に添加しなくてはならないのでしょうか。
一番の目的は、「ワインの香味が酸化により劣化するのを防ぐ」ためです。
例で例えるならば「リンゴ」です。
切った林檎を放置していると変色してしまう。林檎に含まれるポリフェノールが空気に触れ、酸化酵素の影響で変色する、というプロセスです。 ブドウもその一つです。

・そして、亜硫酸塩のもう一つの役割は、「微生物の活動を防ぐ」ことです。
亜硫酸塩を加えることで細菌の増殖を防ぎ、残留している酵母の活動を弱体化させることで再発酵を防止します。

■ 「亜硫酸塩が人の体に与える影響」
・亜硫酸塩の悪い点に対して最も良く言われるのが「頭痛がする」という事です。

①体内の消化に関わるバクテリアを遮断する働きがある。
②肝臓の活動源であるビタミンB1と結合して働かなくする性質がある。
③そして、喘息持ちの方には、少量の摂取でも有害反応を起こす、とも言われています。
最初の2つで言えるのは、肝臓の働きを鈍化させ、糖とアルコールの分解を遅くするということです。

それはイコール、疲労や頭痛といった、二日酔い症状が長引く、ということ。
これが「亜硫酸塩のせいで頭痛がする」の正体のようです。

・亜硫酸塩はワインを作るのに最低限必要な物でもありますが体に少しの害を与えてしまう物でもあります。極力少量のワインを選んで楽しむのも酔いが早い方だとベストです!
低価格のワインは大量生産などされている物が多いのでその分亜硫酸も多く入れる可能性は高いです。

◯すべてのワインが「100%自然のまま」というわけではない

・ワインは、酸化防止剤である亜硫酸塩を使用せずに流通させることは難しく、使用しないと菌が増殖して品質が落ちてしまう可能性があります。そのため、ナチュールワインでも、最低限の酸化防止剤であれば使用することが認められています。
また、国によって基準も異なるため、酸化防止剤を入れない生産者からできるだけ少量に抑えている生産者までさまざまです。

◯最後に

・今回ナチュラルワインの説明をさせて頂きました。オススメ生産者、管理、ペアリング、選び方など次回順番に記事にさせて頂きます。
最後までご覧頂きありがとうございます。
次回もよろしくお願い致します。

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