【論文】"足底板インソールが立位バランス機能に影響について"をざっくり解説

お久しぶりです
こば@kobakutsuです。

面白い論文があったので紹介、解説枠です。
内容をざっくり言うと

「市販のコルク製インソールを使った場合、使わなかった場合の立っているときの安定性を比較した研究」です。

足底板インソールが立位バランス機能に影響について

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/29/4/29_605/_pdf/-char/ja

インソールは様々な使い方をされています。

病気の治療だけでなく怪我の予防など多岐にわたる。
主な効果としては

  • 全身のアライメント(姿勢)の矯正

  • 荷重分散&除痛

  • 歩行時の衝撃吸収

これらを目的として足底板(インソール)は作られるのですが・・・

インソールを使うと足が本来持っている様々な機能(衝撃分散、歩行能力の向上)を阻害してしまうんじゃないの?とくに高齢者の場合は足底筋の機能低下による転倒の危険性が増えるんじゃないの?

心配だから調べてみました!

というのがこの研究の目的です。


試験方法

1️⃣ 市販のコルクインソールを使用し
片足立ちをしてもらう。

このとき、インソール あり or なしの状態で

  • 平らな地面

  • 上り斜面

  • 下り斜面

で行ってもらい、バランスwiiボード(任天堂の体重や体の傾きなどが計測できる板状のコントローラー)を用いて重心がどれくらい動くのかを計測。

2️⃣ 足指でギュッとつまむ力も専用の機械で計測


結果

インソールを使うとブレやすく足指も使いにくくなった

平面・・・インソールを使った場合と使わなかった場合で大きな違いは見られなかった。

上り 斜面、下り斜面・・・インソールを装着した場合で起立時間の有意な低下を示した。重心動揺面積測定の結果は、インソール装着した場合 と非装着の場合の間で有意差は認められなかった。

ピンチ力測定結果・・・インソール装着時の足趾ピン チ力は,非装着の場合と比較して有意な低値を示した

考察

足裏の筋肉と足指を動かす筋肉には相関関係がある。どちらかが使いにくくなると、つられて弱くなる。インソールを使うことで足のアーチの正常な機能が阻害された可能性が考えられる。


個人的に思うこと

内容が面白いだけに、あわよくば高齢者や足のトラブルがある人で見たかったです。

というのも、実験に参加されたのは

足に問題のない、平均年齢22歳の健常な成人男性22名です。

足の機能が低下している人で行ったのなら違った結果になったかもしれませんね!足に問題があっても体幹の筋肉や太ももの筋肉でカバーできるくらいの人たちでしょうし。

元気な人にサポーターつけても邪魔なだけですからね。


足底板インソールが立位バランス機能に影響について

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/29/4/29_605/_pdf/-char/ja

↑を解説しました。

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