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観察とは何か?デザインにどう活きるのか?

こんにちは。THE GUILDのこばかなです。デザイナーとかをやっています。

10秒でわかるこの記事の内容

先日こんなツイートをしたのですが、今回はこの話について詳しく書きました。


デッサンとは何か?

たまにデザイナーの間で「美大に行く必要があるのか」「デッサンを学ぶ必要があるのか」という議論がされますが、個人的には「WEBやUI、UXデザイナーにとっては必要ない」と考えています。(グラフィックデザイナーやプロダクトデザイナーは学んでおいた方が便利だと思います)

なぜならデッサンによって得られるものは「観察力」がメインであり、それを磨く方法は他にもあるからです。

行く必要がないと言いつつ、私は美大に行ったのですが、受験時代はほぼ毎日何時間もデッサンを描く生活を3年ほど続けていました。

▼浪人時代に描いたもの

デッサンは一見すると「リアルな絵を描くこと」を目的にしてるように思えますが、経験者の一般的な意見としては「観察力を鍛える練習」である言われています。

※ ちなみに写真模写(2次元→2次元)とデッサン(3次元→2次元)は全く別の行為で、写真模写の方が圧倒的に簡単です。

観察とは何か?

とりあえず辞書で「観察」の意味を調べてみました。

「物事の様相をありのままにくわしく見極め,そこにある種々の事情を知ること。(三省堂 大辞林)」

と、言われてもよく分からないので、実際に手のデッサン(=観察)を擬似的に体験をしてみましょう。

まず自分の手を見てください。何を思うでしょうか?

……まぁ、「手だな」って感じですよね。

この状態では手を「見てる」だけで「観察」してるとは言えない状態です。
それでは色々な角度から観察していきましょう。

まずはざっくりと形を視て行きます。
・指は何本ありますか?
・手の大きさや厚みは何cmくらいでしょうか?
・手はどのように曲がりますか?
次に手に含まれる名詞を沢山あげてみましょう。
・人、肌色、手のひら、手の甲、親指、人差し指、中指、薬指、小指、シワ、指紋、関節、爪、ほくろ、汗、毛、毛穴、骨、血管、細胞、etc...
もっと近くに寄って見てみましょう。
・ほくろは何個ありますか?
・爪と皮膚の質感の違いはどうでしょうか?
・指紋はどんな模様をしてますか?
見えないところの想像してみましょう。
・骨や筋肉、脂肪はどうなっているでしょうか?
・血管はどうなっていますか?
・どんな細胞によって創られているのでしょうか?
感情移入をしましょう。
・あなたの性別や年齢、職業はなんですか?
・もう片方の手で触ると暖かいですか?冷たいですか?
・手のポーズで感情を表現できますか?

いかがでしたか。毎日必ず見ているはずの自分の手について、ここまで色々視たり考えた経験はあったでしょうか。

私は観察とは「無意識を意識化すること(そして考察や想像すること)」だと考えています。また観察力とは、多くの発見を得て考察できる力だと思っています。

上に掲載した手の絵を描いたときも、発見と考察を何十時間も繰り返した記憶があります。

デザインにどう活きるのか?

観察の対象は「モノ」だけでなく「コト」も該当します。

例えば高級な和食料理屋に入ったとしましょう。「このお店を高級たらしめている要因は何か?」という切り口で観察していくと、立地、看板、店名、食材、照明、接客、店員の服…など数多くの発見ができると思います。

さらに「何故この看板が高級に見えるのか?」のように少し近付いて観察すれば、ロゴマーク、書体、材質、間の取り方…などそのままデザインの参考になりそうなヒントも得られるわけです。

つまり観察による発見はアイディアとなり、仕事に活かされます。そしてこれらの発見は、基本的にググっても出てこないオリジナルの知識なので、個人の強みに繋がると思います。観察力はデザイナーに限らず、すべてのビジネスマンに応用できる能力です。

どう磨くのか?

おそらく最も大切なのは、日常生活でアンテナを張り続けることです。些細なことに疑問を抱いたり、発見をする姿勢が大事だと思うので、私もたくさんアンテナを張れるように頑張ります。

あとは最近流行りのUI模写も、普段意識しないことを意識するには良い手段だと思います。本を読んで知識を増やすことも、観察の切り口を増やすことに繋がるので有効です。

ということで自分のメモ的な感じではありますが、何かの参考になれば幸いです。2018年もよろしくお願いいたします。

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