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守るべき日本とは

 土曜日にある勉強会の為、久しぶりに山形から東京へ。翌日、代々木に用事があったついでに時間もあり天気も良かったので付近をゆっくり散歩していると、何やらセーラー服やジャージを着た人や黄色と黒色タオルを巻いた人達が集まっている。何かのライブの入場待ちの様だが、見ていると年齢性別など様々な人がいる。親子連れや、老夫婦もまぁまぁいる。長渕剛や矢沢永吉等のライブは観客の見た目が典型的だから誰のライブなのかは直ぐにわかるが、こういうの人達が集まるライブって一体誰のライブなのかとても気になった。近くの中東料理のお店で休憩しながらガラス越しに観客の長蛇の列を観察してみる。
 青春日本代表と書かれた靴下を履いている人がちらほらと、いや、店の中にも結構いる。ジャージのズボンの裾を捲り上げてわざわざ文字が見えるように履くのがスタイルなのか。しかも片足だけ。幼稚園児だと思われる子も、セーラー服に似た幼稚園の制服、上履きに小さく青春日本代表と書かれた靴下のスタイル。「青春日本代表、セーラー服、腕章、代々木」で検索すると、「新しい学校のリーダーズ」なる者達のライブであることを突き詰めた。
 しかし、良い歳したオッさん(思いっきり自分を棚に上げてだが)も含めて、貴重な休日にこれだけの人達を動員する彼女達は一体何者なのか?YouTubeで唄も聞いてみたが、全く理解不能…もとより、彼女達や観客の人達を否定する気持ちは全く無いが、単純にその良さが全くわからないのだ。正直なところ、もっと他にやる事ないの?そんな人の追っかけばかりより自分磨きしたら?等思うが、人の興味は様々だ。
 だが、私の様な、良い歳したオッさんが、休日に東洋日本思想を学ぶ為にわざわざ新幹線で東京まで出てきたり、身体を痛めながら武術の稽古したり、禊や山伏修行等、今更言うまでも無いが私の方がおそらく奇人変人、日本人の1%にも満たない人種だろうことは、周囲の状況を客観的に見て認識している。他の人から見たら何が楽しくてやってるのか?と言われそうだ。
 今はハロウィンの時期でもある。もちろん私は、これもクリスマスも全く興味が無く寧ろこちらには気持ちは否定的だった。勤労感謝の日では無く新嘗祭、建国記念の日ではなく肇国記念日だ!などなど、日本の歴史と伝統の文化を蔑ろにするような風潮にはキリがないくらいケチをつけたい気持ちだった。しかし、これもあらゆる文化に寛容な日本だからこそで、それが日本の素晴らしさの一つだと最近は思う様になった。日本人は1万年以上続いた縄文と言う時代に多様性、寛容さなどの価値観に根付く基底文化を築いてきた。以後、幾度も外国の文化の影響を受け入れて、日本独自にアレンジした文化を幾層にも積み重ねてきた。漢字しかり、仏教しかり…しかし、キリスト教の様に全てを無条件に受け入れなかったこともある。そこには、日本の基底文化に反する多様性や寛容さに欠ける部分があったことも一因ではないだらうか。
 Wikipediaによればグループコンセプトは「模範的なヤツばかりが評価されるこの時代、くだらない不寛容社会から、個性と自由ではみ出していく」らしい。こういう私にとっては訳の分からないグループやファンも、日本の基底文化に反する者でない限り、これもまた守るべき日本。しみじみ日本は平和で良い国だなぁと思う。山形では見ることが出来ない非日常の光景を心に焼き付けた日曜日だった。

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