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トップガンマーヴェリック

これぞハリウッド映画の玉座に在る映画。

前作から36年の時の経てリブートされた本作。続編というよりは前後編ともいうべき前作とのつながりが濃く見応えたっぷり。

全編トニー・スコットへのリスペクトに満ちてて、前作を知っていると、なお楽しめるのは間違いないが、干支でいえば三回りもしてる、この物語に違和感なく入り込めるのはトム・クルーズが主演を張っているからに違いない。

普通こういう物語はバトンを渡すことが山になるものだが60手前にして(だからこそ)ジェニファー・コネリーとの落ち着いたラブロマンスも含め、間違いない現役感。代打じゃなくてスタメンから俺。

トップガン卒の兵士たちに世界最高といいつつも何重にも上回るマーヴェリックのパイロットとしての天才。トム・クルーズがやれば、なぜかリアリティがあるのはスタントを限りなく減らす役への執着と関係しているかもしれない。
トム・クルーズなら、だよね、と思いますよね。

そういったスタンスで映画と向き合ってきた彼の36年間がこの映画に詰まっている。
続けることは偉大なことだ。
さらに、ずっとスターで居続けることはもはや偉業。
「映画スター」といえるのは世界でも彼だけかもしれない。

トップガン出演後の36年の間に彼は飛行機の免許を取り、アクロバット飛行はもちろんジェット機の操縦も自分のものにした。
つまり36年間ずっと”マーヴェリック”になる準備を続けてきたということだ。(続編の噂は絶えなかったが)みんなの胸の中にだけあったトップガンの続編は、トムにとってはもう一度マーヴェリックになるということは現実に他ならなかった。

海外でのプレミア上映で出演者が揃うのは今や当たり前のプロモーションだが、この発案はトム・クルーズによるそうだ。
以前はアメリカ国内のみのマーケットで事足りていたが、今は海外での興業収益は5割近い(映画によるが)。
マーケットの行く末を理解していた。

プロデューサーとして能力が高いことは上の話や、トップガンの続編制作権を当時から保持し続けていて、コロナ禍の中、2年もの間、公開のタイミングを見計らっていたことからもよくわかる。(複数のプロデューサーの中の1人ではあるが、当然発言力は強いだろう)

映画は前作を上塗りしつつ、さらに盛り上げる仕掛けが随所にあり最後まで全く飽きない。

よくできてるなんてもんじゃない。
ハリウッドの王様が作った映画。全てが尊い。

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映画に文句はないが、戸田先生。60歳手前のトム・クルーズの一人称「ぼく」。マジか、と思った。

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