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あそどっぐインタビュー4日目 その2 「あそどっぐ、はじめてのバリバラ」

私は、あそさんを心底カッコいいと思った。
あそどっぐはどうやって今のあそどっぐになったのだろうか。
私たちは2016年に出会い、友人になった。手をつなぎ、デートもした。
飽き足らない私は、彼にインタビューをお願いすることにした。

あかほし(以下「ほし」): この前バリバラでやってた「サラリーマン寝夫」すきでした!(注1、2:文末参照)
あそどっぐ(以下「あそ」): あ、ありがとう。
ほし: すごくよかった。
あそ: ね、でも1位とれんかった。
ほし: もういっそ永遠の2位っていうのも、ロマンかも。
あそ: (笑)また2位やったね。
ほし: YOUさんの「やり方が汚い」、あれはほめ言葉ですよね。(注3)
あそ: うんうん、あれはめっちゃいいほめ言葉。

ほし: あそさんは発声練習は・・・普段からしてるだろうけど、どこか教室なんかへ通ったことはあるんですか?
あそ: あ〜。1回だけボイストレーニングみたいなのに通ってみたけど、なんかあんまし・・・たまたまそこがあれだったんかもしれんけどピンとこんで、止めたね。それからはやってないなあ。なんかやりたいんだけどね。
ほし: 「寝夫」は声が聞きやすかったです。
あそ: ほんとに?よかった。今回ね、多分体調がよかったんだわ。
ほし: そりゃよかった!てっきり今回は声の出し方をみっちり練習したのかと。
あそ: あ〜なるほど。まあでも、ねえ・・・もう9年目になるから舞台でできるだけ響くようには、練習はしてる。
ほし: うんうん。けどよかったですね、今回は元気にできて。
あそ: うん。声褒められるのはあんまないから、よかったわ。だいたい、ライブとか出ても舞台監督さんからネタのだめ出しは一切来ないんだけど、とにかく「ハキハキしゃべれ」ってばっかり言われる。
ほし:そうなんや。
あそ: みんなはね、もっとネタをこうしたらいいって教えてもらえるのに、「あそどっぐはまずちゃんとしゃべろうか」からはじまるから・・・
ほし: まあね、届きやすさみたいなのは大切もんねお笑い。
あそ: うん、たいせつ。聞こえんとどうしようもないからね。
ほし: そうか。でも「寝夫」は聞きやすかったですよ。
あそ: あ、ほんと、よかったわ。
ほし: 危なっかしさが全くなかった。
あそ: よかった。
ほし: ネタもいいですよね。
あそ: あ、ほんと。そう言ってもらえるのが一番うれしいわな。
ほし: 構想どれくらいなんですか?あのネタって。
あそ: あれはねえ、けっこうすぐできたよ。
ほし: あ、そうなの?
あそ: うん、早かったねえ。
ほし: どんな・・・1週間くらい?
あそ: いや・・・たぶん・・・1,2時間ぐらい。
ほし: そうなんですか!?
あそ: あれは早かったな。もうずっと出てるからやることがないのよ、バリバラで(笑)そこで「じゃあもう未来のこと描くしかないな」って思いついて。テーマさえ決まればね、すぐ書けるかんじだから・・・すぐだったな「寝夫」は。
ほし: そうだったのか。渾身のめちゃめちゃ考えまくったネタかと思ってたけど1、2時間なんだ(笑)
あそ: うん。毎回バリバラは書き直させられるから、まあ今回もそうなるでしょってかんじで出したら「このまんま行く」って言われて、え〜このまんま行くの?ってかんじ、ぼく的には。「もっとなんか言って」みたいな。
ほし: はあ〜、聞かんと分からんもんですな。
あそ: (笑)まあそれでリラックスしてやれたからよかったのかもしれない。
ほし: バリバラのお笑いバトルのとき、会場の緊張感ってどんなもんなんですか?
あそ: 会場の緊張感は・・・う〜ん、そうだねえ。初参加の人とかは緊張してるのが伝わってきたかな。でもぼくなんかは、お客さんがぼくのことを知ってくれてる人がほとんどだったから、すごいやりやすかったわよね。
ほし: え・・・会員制?バリバラのお客さんってどうやって決まってるんですか?
あそ: あんね、バリバラでHPで観覧者を募集してて。
ほし: あ〜、それで毎回だいたい似た顔ぶれが集まる・・・?
あそ: まあバリバラのHPまでたどり着く人だから、バリバラをよく観てる人よね。
ほし: そっかそっか。 あそさんは古株だもんな。
あそ: もう古いよ。初めて出たのは・・・7年前か。
ほし: そんな前から出てたんだ!
あそ: そうそう。
ほし: 7年前ちゅうたらあそさんは当時・・34歳?
あそ: うん。そのぐらいに、そうだね。34歳のときにはじめて出たね。
ほし: あそさんにとってはTV初出演だったんですね?
あそ: うん。あんときは緊張したわ。耳鳴りが止まんなくってね。
ほし: 耳鳴り(笑)
あそ: もうドキドキしたね。
ほし: そうなんだ、緊張するんだ。
あそ: うん、あんなに緊張したのはね。たぶんね、ないんじゃないかな。
ほし: そうなのか〜。
あそ: うん、今まででいちばん緊張したかな。ホントもう舞台裏いるとき、耳鳴りでなんも聞こえなくなったんだよね。
ほし: 超ピンチじゃないですか。
あそ: (笑)ほんと恐かったねえ。
ほし: へえ〜そらあ、今までとは見る人の桁がちがうからってことですか?
あそ: まあそれもあるし、ぼくもともとニコ動の出身だったから。高校の時以来・・・だったんよね、リアルな人前でやるっていうのは。
ほし: あ、そっか。
あそ: ずっとニコ動で、モニター越しだった・・・からね。
ほし: そうなんだ。じゃバリバラ出演前は生のライブとかしてなかったんですね。
あそ: うん、してないね。バリバラの1年前にニコ動をはじめて・・・。だから、ニコ動しかやってなかったんよね。(注4)
ほし: へえ〜!知らなかった!
あそ: そうそう。だから緊張したねえ。
ほし: あ〜するねえ、それは。
あそ: うん、ホントホント。で、「これで絶対ブレイクしてやるぞ」って思い込んで行ったから・・・。
ほし: ねえ、思いますよねそらあ。
あそ: そうそう、すごいイキって行ってたし、もう。うん。
ほし: イキってた(笑)
あそ: うん、イキって行ってたねえ。他の出演者にも挨拶されてもこっちは挨拶しないし。
ほし: なんで!?(笑)
あそ: 「お前等と友達になるために来たんじゃないんだ俺は」
ほし: (笑)
あそ: 「俺は有名になるために来たから、お前等話かけんじゃねーよ」みたいな。
ほし: あそどっぐ怖すぎるでしょ(笑) ムリヤリ好意的に解釈すると、緊張しすぎて人の相手をする余裕がなかったと・・・
あそ: いや、そうじゃなかったと思う(笑)
ほし: あら(笑) しかしぜんぜん緊張感違いますよね、生のお笑いって。
あそ: やっぱね、緊張するよね。
ほし: その会場で発生するコミュニケーション感というか関係性というか・・・TVで見る時とは違って、現場にいるお客さんの存在感がすごく大きいですよね。
あそ: う〜ん。そうだね。それがむずかしいところだよね。ほんとね、人前でやるのはぜんぜんちゃうね。

注1:「バリバラ」。あそどっぐがときどき出演しているNHKの番組。バリバラは「バリアフリーバラエティ」の略。
注2:日本一おもしろい障害者パフォーマーを決める「SHOW-1グランプリ」で披露したあそどっぐのネタ。舞台は近未来。世のバリアフリー化も進み、サラリーマン寝夫は北極への転勤を決意するが・・・?
注3:「サラリーマン寝夫」を見たYOUが「やり方が汚い」と評した。
注4:ニコニコ動画。日本版youtubeみたいなもの。youtubeよりも相互コミュニケーションが多い。

次回、「「あまねさんの握手は・・・アツいよね」

あそどっぐ
1978年佐賀県生まれ。熊本在住。お笑い芸人。
あかほしあまね
1991年東京都生まれ。『コバガジン』のライター。

前回の記事はこちら 「あそどっぐがリスペクトする、おっちゃん」

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