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マイナンバーの正体について①

 まずこのツイートはおそらくデマだと思います。
 マイナンバー制度は2000年のe-JAPAN戦略に起源をもつものです。件のツイートでは財務省のような話がされていますが、マイナンバー制度は内閣官房IT戦略室や総務省を中心に進められてきました。
 平成27年9月にマイナンバー制度が始まったわけではなく、システムが組まれたわけでもありません。それに省庁の人間がシステムベンダーのプログラム現場に立ち入ることはまず考えられないので、「大学生のアルバイトを総動員」というような事情は知る由がありません。

 またこのプログラムとはどのシステムのことを指しているのか非常にあいまいです。マイナンバーの通知が始まったのが平成27年10月なので、マイナンバーの通知システムのことを指しているつもりかもしれませんが、ならばこの人は総務省から自治体に天下りでもしていたのでしょうか。マイナンバーの通知業務は自治体で行いました。

 マイナンバーの正体は何度か書いたように住民票コードを不可逆的に変化させたものにチェックデジットを加えたものです。
 マイナンバーカードは住基カードの改良版です。

 したがって個人資産税が目的というのは単なる憶測にすぎませんが、現実的には後でそう考える国会議員が現れることは十分考えられます。

 それは何故か。

 ワクチン接種記録システムという前例があるからです。

 そもそもマイナンバー制度においてはマイナンバーを連携キーにした一元管理のシステムは作らないという前提がありました。その前提が「あったら便利」というシンプルな意見であっという間に崩されて出来上がったのがワクチン接種記録システムなのです。

 なんでも陰謀論にしてしまう人を見ると「あほやな」と思いますが、このワクチン接種記録システムの話が出た時、「こっちの方がさらにあほやな」と思いました。この前例はもうなかったことにはできません。

 つまり一旦何かシステムが出来上がってしまうと、一国会議員のアイデアで、ルールを無視した運用が行われうるということがワクチン接種記録システムによって証明されてしまったわけです。

 ということは現在マイナ保険証のために運用されているオンライン資格確認システムがまったく別の目的で使用されることがあり得るということになります。もちろんまだないのですが、これからあり得るということです。

 そうでなくともこれからオンライン資格確認システムは柔道整復師も利用できるようになります。柔道整復師って例のあれですよ。医者だって色々いますが、オンライン資格確認システムが柔道整復師からフリーアクセスになればどうなりますかね。

 それと余談ですが資産というのは殆どただの数字ですから、新札にしたりしても把握できませんよ。お金持ちはATMなんか使いませんし。

 それに資産把握というのは現に行われています。所得金額の合計額が2,000万円超で、3億円以上の財産を持っている人や国外資産が1億円ある人には「財産債務調書」の税務署への提出が義務付けられています。

 このツイートをした人、このツイートにいいねした人、リツイートした人は世の中のお金の流れの仕組みや法制度に無関心な人なのでしょう。このレベルで中央省庁の役人が務まるともちょっと考えられないのですが。


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