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酒井太郎先生へ、便器株主の公開質問状

酒井太郎様へ


初めまして、野村HDに株主提案をしたものです。

「日本の株主提案権制度の現状と諸問題」拝見しました。

いくつか誤解があるようなので説明させていただきます。  

私がくだんの提案をしたのは、

①久保利方式で株主総会を形骸化させていることへの対抗措置
②トマト栽培を始めたことへの疑問
③野村土地建物株式取得により野村不動産HDを関連会社にしたにも関わらず実効性のある動きがなかったことへの疑問
④ある「馬鹿な株主」(株価が二十分の一になって4750万円損した、というおじさん)への同情
⑤三菱に「いざとなったら頼む」と働きかけているという情報リークがあり危機意識が高まった
⑥前年壇上でにやにやしながら私語を続けた古賀会長の迷走経営への不満(リーマン買収の失敗・人材の流出)

インサイダー取引に増資乱発の常習犯
http://www.777money.com/tameru/column/nomura.html

野村証券社員が語る「部下は監禁・罵倒し、顧客に損させてもノルマは死守」

https://biz-journal.jp/2012/08/post_485.html

野村HD トマト栽培

https://www.nikkei.com/article/DGXNASGC1201V_S0A810C1EE1000/


 等々がきっかけであり、手段としての提案は「機知とユーモアと皮肉」で経営の問題に衆目を集める意図がありました。悪ふざけ・利益にならないという意見もありましたが、提案の年、古賀会長は壇上で私語をしませんでした。

またこの誤解が一番多いのですが、株主提案は招集通知に掲載しなくても過料は取られません。民事訴訟するしかないのです。提案全体の中で比較的ユーモラスなものがつままれていることをご確認いただければ、それがどういう意味を持つのかご理解いただけると思います。

あれは私個人の遊びではなく、野村の管理部の遊びか、あるいはクーデターです。そもそも株主総会で万歳三唱はありません。つまり誤った認識に基づく提案として、万歳三唱に関する提案は伏せようと思えば伏せられたのです。会社法を書面でしか学んでいらつしゃらないようですが、金融庁に電話したり、株主総会に参加したりして、事実を確認されてはいかがでしょうか。

くれぐれも誤解なきように願います。私は別に怒り心頭で苦情を述べているのではありません。会社法の専門家を自認される方が、会社法の実態をあまりにもご存じないことにあきれているのです。

まずそもそも権利濫用的な株主提案は株主単独では不可能であるという事実をご存知でしょうか?

会社法、株主総会、株主提案に関する理解度は会社によってまちまちです。弁護士の理解もまちまちです。ですから「取引先からの苦情」のような提案が招集通知に掲載される事例もあれば、ごくシンプルに「なかったことにされる」場合もあります。

この事実はあれこれ調べなくても私の提案一例で確認することができます。そこで金融庁が野村HDに対して伏せられた提案の違法性の確認を求めることはないのです。提案の採否は会社側の自由です。社名変更の提案があったことのみ明かされ、付議されなかったという事実は、その宣言そのものでしょう。

しかしながらおそらく私の提案以降、「あの野村が弁護士と協議の上、ここまでは招集通知に掲載しなくてはならないと判断したのだから…」というラインができてしまったので、今までは無視されていた提案が日の目を浴びるようになったのだと思います。

ではそもそもなぜあのようなことになったのか、先生は不思議に思いませんか。

まず「実際に行われない万歳三唱の禁止」の提案が採用されたこと、そして「三菱UFJモルガンスタンレー野村証券」という他社に迷惑をかけそうな提案が採用されたこと。平たくとらえれば、前者は洒落、後者は本音ではないでしょうか。株主が感じていた危機感が、社内にもあったと考えることが自然ではないでしょうか。

実際に株主総会に参加し、株主提案をしてみればいかにこの論評が空疎なものであるのか実感できる筈です。実際に総会でどのようなやりとりがされているか、それが会社ごとにどれほど違うのか、そういう現場の理解なしに法制を論じるのはいかにも無責任です。

私は提案の前年「トマト栽培は儲かっているのか?」「野村不動産HDを関連会社としてどのようにガバナンスしていくのか?」という質問をしました。回答は「あまり儲かっていません」「餅は餅屋なので考えていません」というものでした。

久保利方式ではここで追加質問ができません。ただこれが取締役会だったらどうでしょう。そういう総会の現状を見聞きしたうえで、何がどうあるべきか論じるべきではないでしょうか。

形式的には久保利方式ながら、質問者を圧倒する熱量で語る経営者(アドウェイズ、ガンホー)、夢を語り感極まって涙ぐんでしまう経営者(GMO)に株主提案しようとは思いません。

ただ二度の大型公募で株主価値を60%希薄化し、東証から注意を受け、なお公募に応募し二千万円も野村証券に入金して難平しようとした株主を抽選と称して落とすような会社には、株主提案でもしようと思うはずです。(難平できませんでした)

「上場会社の個人株主が株主提案権を行使することも、さほど困難なことではない。」とありますがその比較ができる程度に国内外で実際に株主提案をされたことがおありでしょうか。困難ではないとは簡易であるという意味でしょうか?

別の議論で1500万円程度で提案できるのは安いみたいな発言をしていた人がいましたが、ちょっと一般人の感覚ではありませんね。富豪以外は発言権なしでいいのでしょうか。

 またいくつか根拠の曖昧な指摘はないでしょうか?

「株主が提案議案の内容の適法性および妥当性を確保すべき義務を負うものではないことからも明らかである。」とありますが、株主提案権は会社法に定められているものであり、適法である必要があります。

「株主が提案することのできる議案の内容には基本的に制限がない。」そんなことはありません。


「もっぱら自己顕示欲の誇示または会社を困惑させることを目的として株主提案権を行使するという、制度趣旨から逸脱した行使事案が目につくようになった。」どのような事実を確認してそう判断されたのでしょうか?

そして「荒唐無稽な内容の議案」と直接名指しですが、そもそも伏せられた提案全体を把握しての受け止めなのか、それともネットニュースを拾い読みしての感想なのか、この点はぜひ確認させていただきたい。それらがどのような意味で権利乱用に当たるのか当たらないのか、詳細に確認していただきたい。

もしネットニュースの拾い読みでの発言であれば、匿名のチンピラではなく専門家として発言されている点はいかがなものでしょうか。
株主提案はステークホルダーとしての権利の行使です。その提案に対してステークホルダーでもない部外者が良い悪いと判断する権利はどこから生じるのでしょうか。それが会社法の専門家という立場から認められるという主張であれば、まず事実を詳細に確認してはいかがでしょうか。それが専門家を自認するものの責任ではないでしょうか。

 私は自分の主張を公にしています。

https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12247021785.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12598769318.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12599136769.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12126954497.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12593089901.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12362076296.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12316444315.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12289002438.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12286349756.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12281735420.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12248122777.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12259331763.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12127299290.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12247043621.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12246836181.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12246828214.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12187593954.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12144918474.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-11967962818.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12145248725.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12180930480.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12175975690.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12170022355.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12136736586.html
https://ameblo.jp/colopl-bp/entry-12136725846.html
https://ideabox.cio.go.jp/ja/user/7fc8a655-f9ca-425d-84e4-5f85911a523e/


(提案は「川奈天吾」名義でアマゾンで本にしています。)


 それにしてもあれこれおかしいことはちょっとロジカルに考えてもらえばわかるはずです。
 一例でいえば、松下電器という会社を「パナソニック」に変えようと株主提案したらそれは荒唐無稽で権利濫用なのか、という問題です。持ち株会社ながらトマト栽培を始めた該社に対して野菜ホールディングに社名変更するよう提案したものの付議されなかったという事実をどう受け止めていらっしゃるのか、そもそも何かが可笑しいと思わなかったのか、そのあたりが不思議でなりません。

 「株主提案権の行使が不当に拒絶された場合の救済手段」に関して述べられている内容はほとんど空疎と感じられます。「取締役等は100万円以下の過料に処せられる」とありますが実例を確認しましたか?

現実的にはこの罰金刑は実行されません。誰もその事実を確認しないからです。実際に私は金融庁他に電話で確認しました。会社法の罰金は本店所在地の変更忘れなどが殆どです。


そもそもここに挙げられた手続きを実際にやりましたか? やらなくともシュミレーションぐらいしないものでしょうか。おそらくご経験はないと思われますが、基本的に民事訴訟ですので、損害の事実証明は提案者側にあります。つまり提案採否の前に予防手段として、株主提案を内容証明郵便で送る必要がありますね。しかし内容証明郵便には、個別株主通知(発行手数料数千円)、身分証明書の写しを同封できません。別便で、配達記録で送付する必要があります。これは果たして簡易なことでしょうか?

「荒唐無稽」な提案により、社長副社長は異動となり、野村不動産HDとの関係は解消されたという事実も確認していただきたい。


野村HD 野村不動産HDを連結子会社から外す
https://www.nikkei.com/article/DGXNASGD0100R_R00C13A3EB2000/

ちなみに株主総会では本当に「それはないだろう」という発言があります。グリーの総会ではたまたま私の横にいた山口三尊が田中社長に対して

http://blog.livedoor.jp/advantagehigai/archives/65918346.html

の話を具体的に話し始めて、流石に気まずい思いをしました。
代理で来たという女性セールスが自社商品を宣伝することもあり、「皆さん勘違いされているようですが100株が10株になるということは今までの十分の一の価格で株が購入できるんですよ」みたいな頓珍漢な発言もあります。

私の提案などまだかわいいものです。
コロナ禍で「株主総会は役員のみで行いますので来ないでください」(コロプラ)という招集通知が届くという現実こそ「荒唐無稽」ではないですか。

監督官庁に直接話を聞く、会社の法務部に取材する、株主総会に参加する、株主提案をしてみる、民事訴訟を経験する…そうしたことをしないでも会社法の専門家として教職につけるという現実も荒唐無稽ではないでしょうか。

ラーメンを食べたことのないラーメン評論家はいないでしょう。
繰り返しますが怒りはありません。ただ現実を知って、それから意見を述べていただきたい。毎日のように呟かれる「野菜証券」という用語は私の提案から生まれたものです。

教育者が荒唐無稽とレッテルを貼ることにはそれなりの責任が付きまとうものだとお考えにはならないでしょうか? 学生はそのまま信じますよ。

しかしそれでは何も考えない学生を増やすだけです。野村HDの一方的な説明だけを妄信して、伏せられた提案はもっとひどいんだろうなと先生が思い込み、生徒に「これは荒唐無稽な株主提案見本だ」と教えたら、もう学生は自分でそれが本当かどうか調べないでしょうね。

公開された提案の中にグーグルの採用試験に使われた数字を混ぜておきましたが、気が付いた人も皆無です。

兎に角この件に関してはみな何も調べないで好き勝手なことを書いているなと感じます。


そして「株主提案の著作権」に関して全く配慮されないで、本文より引用の長い記事が拡散された問題もスルーされていますね。

突然の長文失礼しました。連絡いただけるのなら、アメブロのダイレクトメッセージの方が確実です。

                     便器株主より 


野村HDが赤字転落、長期低迷招いたリーマン買収が完全失敗…三菱UFJによる買収観測も

https://biz-journal.jp/2019/05/post_28109.html 



「落日」野村が三菱に割譲観測
https://facta.co.jp/article/201907003.html



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