2023年11月の記事一覧
しぐるるや犬も小蓑をほしげなり 芥川龍之介の俳句をどう読むか90
時雨るゝや犬の来てねる炭俵
松尾芭蕉の句の中で犬と時雨の取り合わせはこの二句のみ。
ゆく雲や犬の逃吠村時雨
草枕犬もしぐるゝか夜のこゑ
芭蕉の句に炭俵の文字は見えない。
言っていることは解りますか。炭俵集はあれど炭俵の句はない。
自分の適当な感覚だけで適当なことを言って格好をつけない。そういう態度こそが俳句から最も遠い精神の表れだということです。
さて犬嫌いの芥川が時雨を避
芥川龍之介 「漱石先生の長逝を悼む」
こうやって手紙を書いていても先生の事ばかり思い出してしまっていけません
逝去されたあくる日に先生のお嬢さんの筆子さんが学校へ行かれたら国語の先生の武島羽衣が作文の題に「漱石先生の長逝を悼む」と云うのを出したそうです
そうしてそれを黒板へ書きながら武島さん自身がぽろぽろ涙をこぼすので生徒が皆泣いてしまったそうです
それから又先生の主治医の真鍋さんは医科大学の先生をしているんですが対学生は皆大山さんの