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ことばの遅れ_小さな種通信4

こんにちは!初めましての方も、よろしくお願いします。

言語聴覚士&元保育士&子育て母のまりこです。 

新年度が始まって早くもひと月が経とうとしています。子ども達は、新しい環境に慣れてゆく一方、ちょっぴりお疲れかもしれませんね。

私は先日、所属する学会のセミナーを受講しました( 日本コミュニケーション障害学会 言語発達障害研究分科会 東京セミナー、2021年3月)。「ことばの遅れ」についても、新たに深く学ぶ事ができたので、皆さんと共有していきたいと思います。

※セミナーの内容を一部参考にしておりますが、この記事はセミナーの全容や要約をお伝えするものではありません。「ことばの遅れ」そのものや、そうかもしれない子について、初めて考える親御さんや保育者の方への情報提供を目的に、こあらの考えで書かせていただいております。ご了承ください。
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1.「ことばの遅れ」の意味は、年齢や環境によって様々

中には、個人差で追いつくものも、「言語発達障害」の表れ始めのものも、あります。幼いうちは、予測が難しい事も多いのが現状です。

※「言語発達障害」とは(玉井ふみによる)
①子どもの年齢で期待されるよりも言語発達が幼い
②それによって生活に困りごとや制限が出てきている 状態
出典:藤田郁代シリーズ監修、玉井ふみ、深浦順一編集「標準言語聴覚障害学 言語発達障害学」、医学書院 2010年


2.1歳半健診、3歳健診は大きな目安。


1歳半健診の頃に「どうぞしてね」等の簡単な指示理解や、おしゃべりできる単語が計3つ、の目安がまだの子達は、まずは保健センター等に繋がりつつ、日々の「ことばの環境」を整えると良いでしょう。お話しだけが遅れている場合、75%程の子は3歳前に発達が追いつくと言われますが、注意深く見ていく事をお勧めします。

3歳健診時に自分の名前や2語文のおしゃべりが出ていない子は、表現力の発達がゆっくり。そこで、集団生活などで困っていないか等、また、他の面の発達状況も再点検を。年齢を重ねるにつれ、次第に言語発達障害を持つにいたる子の割合が増えてくるので、発達相談を利用するなど、より積極的な対応をとっていく事をお勧めします。

(健診について参考:国立研究開発法人 国立成育医療研究センター「乳幼児健康診査身体診察マニュアル」2018)

(話し言葉の表現が遅れている子の、その後の発達像に関する情報の参考:冒頭に記載のセミナーより)

3.言語が遅れているのでは?と思ったら、

まずはことばの環境を整えつつ、保健センター等の相談機関や、発達を診る小児科等の医療機関と繋がっていきましょう。

ことばの環境づくり(詳しくは下記の出典の本がお勧め。コミック版もあります)
①👂聞きやすく:テレビを消し静かな環境で、大人は子供向けの短く分かりやすい話し方で話す(※こあらより 耳鼻科で聞こえを確認しておくのも良いでしょう)
②👀注意や興味に沿って:本人の遊びや注意・興味を、大人が共有する
④🤗受容的に:子の思い・行動・発言を受け容れ(否定せず)、言葉にする
④⏰毎日30分間ずつ、一対一の時間を:(※こあらより 平日の30分間の確保は大変です。ご家族や園等で話し合い、現実的な方法・無理のない範囲で始めてみましょう。)
出典: サリー・ウォード「0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間 『語りかけ』育児」、株式会社小学館、2001年


実は私自身も、息子の「ことばの環境」を整えつつ、彼らしさを見守っているところです。

蛇足ですが、一人の親として思うことは、子育ての心配事について、安心して話せる支援者と繋がっておくことの重要性です。気が乗らなければ、その時は、距離をとっていてもいいかもしれません。ですが、動ける余裕のある時に、相談相手・場所を見つけておくだけでも、何かの時に役立つかと思います。


今回は内容を詰め込んでしまったので、ご不明な点などございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。微力ながら、できる範囲でお役に立てたらと思います。 
次回のテーマは、「ことばの育ちを支える環境」の予定です。

サポートエリアまでご覧いただき、ありがとうございます…! ゆっくりペースですが、コツコツと続けていきたいと考えています。