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最高のマルチメディア展開を教えてくれてありがとう ハーモニーコミカライズ

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA) 

 伊藤計劃氏のSF小説『ハーモニー』を読んだことがあるでしょうか?私は『虐殺器官』含めたこの2冊以上に面白い本を日々探している途中です。もしあなたがこれらをまだ未読でしたらとても幸運です。原作小説、劇場アニメ、コミック、オーディオブックといった豊富なメディア展開先から好みのものを選び取れるからです。

 今回は三巻文(みなとふみ)さんによるコミカライズ(全4巻)を推したいです。原作小説は読んだが、コミカライズは未読という方も幸運です。原作小説が好きな方ほどコミカライズ版も好きになるでしょう!

ハーモニー(1) (角川コミックス・エース) 

コミカライズは小説となにが違うのか

 主人公を客観的にとらえられる点が1番の違いだと思います。大枠のストーリーは小説とコミック版で同じです。だからこそでしょうか、表現方法の違いがここまで体験を変えるのかと驚きました。

 小説では主人公トァンから見た視点で話が進みます。コミックでもトァンを主人公に進むのですが、主人公とその他の登場人物などとの関わりを外から見る事ができるのはコミカライズだからこそです。

 トァンは同級生のミァハを神格化している感じを受けていました。小説を読んでいる私自身も同じようにミァハをちょっと神格化していました。コミカライズでは同じコマにいるからか、トァンとミァハが対等な関係に感じられました。これは小説版とは全く違う感じ方でしたがどちらも間違いなく『ハーモニー』でした。

 コミカライズ版を読み終えた時は結末は小説で知っているはずなのに言葉がないくらい素晴らしいものでした。もし漫画からハーモニーに出会っていたら…何か考え方すら変わっていたかもとすら思ってしまいます。


 どちらがいいとかではなくてどっちも最高だという話です。こちらからは以上です。


追記

2020年星雲賞の参考候補作に入っていました!

2020年 第51回星雲賞 参考候補作一覧より
【コミック部門】

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