素っ裸少女の祝われ
「○○!おめでとう!!」
相手を祝福する時に使われるありふれた言葉。
1度は聞いた事ある言葉。
その言葉の中でも1番嬉しかった時の
「○○!おめでとう!!」
この言葉は今でも心と記憶に残っている。
私は小学3年生から書道をしていた。
きっかけは確か
"クラスのみんなを見返したかったから"
だったと思う。
当時の私は
自分に秀でたものがないといけない
と思っていたのか、
何かしら得意なものを作りたかった。
そして
茶化してくるクラスのみんなが驚いた姿が
見たかったんだと思う。
私の住んでるところは書道が盛んなところだったから
書道を選んだんだと思う。
親に書道がしたいと頼み込み、
筆や墨を買ってもらった。
筆をもってみると少し手が震えた。
緊張した。
こんな細い毛束でほんとに字を書くのか。
なんて小さい頃の私なりにそう感じてしまった。
でもその時の私は
どーしても負けず嫌いなようで。
ひたすら練習。
紙に書いて気に食わなかったら
また練習。
気に召したとしても
また練習。
とにかく自分とみんなに負けたくなかった。
ただそれだけを思ってひたすら練習を突っ走った。
中学生になって
色んな展覧会に自分の作品をだして
ひたすら練習してたら
あるひとつの電話が家にかかってきた。
ちょうど私はお風呂中で出れるはずもなく。
「はい、もしもし」
母が電話に出る。
「〜〜。」
あることが告げられる。そう。展覧会の結果だ。
そんな事なぞ知らず私は素っ裸で
電話をしている母のいる部屋に行った。
結果を聞かされた母は目に涙をためて
素っ裸の私に突進してきて抱きしめてきた
……うん。どーゆー状況?
ふとそう思いながら突っ立っていると
「○○!おめでとう!!」
と母から告げられたのだ。
その瞬間一気に悟って大はしゃぎ。
素っ裸の私とそれを生んだ母は
一緒の部屋で大はしゃぎ。
はたから見たら変態親子。
でも「おめでとう」嬉しすぎて
そんなの関係ない。嬉しかったのだ。
この時熱中して努力してた事が
やっと実って
褒められた事がとっても嬉しかったのだ。
そんな経験をさせてくれた書道は
今でも感謝してるし、好きなことである。
そして後日……
素っ裸で大はしゃぎした私は風邪をひいたとさ。
おしまい。
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