御府内八十八カ所 下準備
子供の頃、祖父からお遍路さんの話を聞くことがありました。自転車で巡ったと楽しそうに話す姿に、憧れのようなものを感じていたのかもしれません。
いつかは自分も歩きたい。そう思ってきました。
でも中々思うようにいかず、関東住まいの今では四国は本当に遠い。
とりあえずできることから、と、鎌倉三十三観音霊場巡りを始めていたところ、偶然立ち寄った甘味屋の主人から御府内八十八カ所の存在を知りました。
四国までいけない民のために開創したであろう霊場。なんと素晴らしい。
そこで色々下調べ。地方出身者の私には東京の複雑な路線と道路は理解しがたく、鎌倉でそうしたような札所を順に巡るのは無理と判断し、地域を19に分けて計画しました。
持ち物は 御朱印帳、数珠、写経。
写経?
祖父から用意をしたと聞いたことはなく。しかし、できるだけ正しく巡りたいという希望もあり。
写経用紙を購入しました。
祖父は、就寝前に仏壇の前で般若心経を唱えるのが日課でした。幼い私は、その膝の中で門前の小僧よろしく般若心経を覚えました。
あれから数十年。習わぬ経は、その日の気分で短くなったり長くなったりするものの、なんとか唱えることができます。が、書くのは未体験。なんでかドキドキ。
で、初体験を終えての感想。
「漢字ばっかり(しかも字画が多い)手首が痛い! これを88枚も書くのか?」
我ながら文句はスラスラと口をつくものです。文字をいかに書いていなかったと実感した所存です。
知人である僧から般若心経の方がいいとのアドバイスをいただき、夫からも音は知っているのだからまだリーチがあるだろうとの諭し?があり、頑張ってみることに。
二枚目でようやく漢字の間違いに気がつくお粗末ぶり。
法事の時に和尚さんから「唱え続けていると意味がわかるようになる」と伺ったことを思い出しました。
……いつか、わかるのだろうか?
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