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歯医者さん 絶望と希望のワンダーランド

夏くらいから歯の詰め物が「ぐらぐら」し始めた。「早く歯医者に行かなければ」と思いつつ、重い腰を上げたのは11月下旬。
訳あって以前通っていた歯医者には行きづらく、新しいところへ行くことにした。
そこの歯医者は常勤3名と非常勤8名という少し変わった体制の医院。複数人で診察対応しており、予約なしでOKというのが売りだが曜日によって先生が変わってしまう。
その日私の対応をしたのは若い医者で、いかにも非常勤という風体。
一通り歯を見て先生はおっしゃった。

「抜歯してインプラントがベストですね。30~40(万円)くらいだね。何なら次の患者キャンセルなったから、今から抜けるけど?」


「えっ?」
私は唖然とした。いきなりすぎる。そして説明が少ない。
なぜ抜歯しか選択肢がないのか、インプラント以外の治療方法はないのか。とにかく雰囲気が軽い。
インプラントは保険適用外なので、30~40万円といきなり言われても、底辺副業ライターの私にとって額がでかい。大体にして「30~40」と「万円」を付けない言い方が鼻につく。

いきなりその日に抜歯をする覚悟など当然私にはなく、予約(抜歯は予約必要)をして帰った。「抜歯」と「インプラント治療」という足枷をはめられ、絶望のなか家路へとついた。

納得がいかないと思った私は、セカンドオピニオンを受けることにした。
ホームページで「なるべく歯を残す治療」いわゆる「保存治療」を得意としている歯科医院を見つけ予約した。

そこは先生が1人で診察しているよくある体制の医院。
ひとしきり歯を見て先生は次のようにおっしゃった。

「この歯を抜歯しかないというのは、個人的には乱暴かと思います。」


映画のセリフにも使えそうな美しい旋律だ。その時、先生が神様に見えた。
この状態であれば抜歯をせずに治療できるとのこと。私の歯は希望の光に包まれた。

今回の件でインターネットで調べたり、知人に聞いて分かったことが二つある。

一つは歯科医には治療の得手不得手があって、当然医者は得意なやり方を進めてくる。今回の場合、最初の医者は若手だったこともあり、こまごま削ったりするより抜いてインプラントにする方が得意(楽?)だったのかもしれない。

もう一つは安易にインプラントを進めてくる医者は少し注意した方がよいということ。全てに当てはまるとは言えないが、時間と手間をかけて歯を残す保存治療より、一本40万円のインプラントの方がタイムパフォーマンスはよいであろう。

令和の時代、医師免許を持った歯医者さんにそれほど違いがないと思っていた。最初の歯科医で治療を進めていれば、私の奥歯と40万円はこの世にはなかった。今回、歯医者さんの絶望と希望を味わうことになった。

最後に。
人によってはインプラント治療が最善ということもあると思う。あくまで今回の記事は、「抜歯とインプラントは怖いので避けたい」という前提で書いる。

皆さんも歯医者さん選びは慎重に、そして歯は大事にしてください。



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