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Blenderで超簡単に木を作成するアドオンを作りました

今回は、Blenderで「木」をワンクリックで作成できるアドオンを作成ました。

インストール方法(一般的なアドオンと同じ)

1.下記「simple_tree.zip」をダウンロード

2.Blenderを開き、上のメニューバーから[編集]→[プリファレンス]→[アドオン]→[インストール] を開く
3.「simple_tree.zip」を選択し、[アドオンをインストール]をクリックし、有効化チェックをON

操作方法

1.3Dビューポートで「N」キーを押すと表示されるタブメニューの一番下にある[SimpleTree]を選択

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2.[木を生成]をクリック

これだけで、フツーの木が生まれます。(検証済み環境:Blender2.93)

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枝の付き方には少しランダム性を持たせているので、実行する度に少し違う木になります。

処理時間は、設定や環境に応じて変わりますが、デフォルトであれば10数秒程度だと思います。

オプション・パラメータ

メッシュ化:
・チェックON:木がメッシュ化された状態になります。葉や色を付けられます。
・チェックOFF:木にスキンモディファイアが設定された状態になります。葉や色は付けられませんが、頂点データのみなので、生成後に手動で枝の調整をしやすいです。(厳密に言えばこれもメッシュですが)

葉:
・チェックON:葉が付きます。既に葉を生成済みの場合は、それを流用します。パーティクルモディファイアを使用しているため、下のようなパーティクル設定箇所で、生成後に大きさや数を変えたり、葉だけ独自のオブジェクトに変えたりすることもできます。
・チェックOFF:葉が付きません。

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色(マテリアル):
・チェックON:木(幹・枝)と葉に簡易的なマテリアルを設定します。独自のテクスチャ等は使用していません。
・チェックOFF:マテリアルが設定されません。

その他パラメータ:
それぞれ文字通りのパラメータです。値には上限を設けていますが、設定値次第では少し生成時間が伸びちゃいます。

なぜこのアドオンを作ったの?

Blenderで創作していて、ふと「木が欲しい!」と思い、簡単に作れる方法を調べたんですが、どれも手順がそこそこ長くて。

木の作り方を説明したYoutube動画はいくつかあり、細部までこだわったもの作りたい場合はとても参考になるのですが…

これらのアドオンは、細かな調整ができる代わりに、とても設定項目が多かったり、ノードを繋いだりする必要があるんですね。

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これは「sapling tree gen」という標準アドオンの設定画面なのですが、見ただけで「あぁ…面倒くさそう…!」ってなる。

特にこだわりがない「シンプルな木」が欲しいだけの人にとっては、ちょっとハードルが高すぎるなと。幹や枝もなんかヒョロっとしてて、自分の求める一般的な木のイメージと違ったりして。

なので、細かい設定はできなくても、「ワンクリックで誰でも木を作れるようにしよう!」と思い、今回のアドオンを作りました。

シンプルな木ではありますが、マテリアルをいじってあげたりすれば、こんな風に印象が変わったりします。工夫次第ですね。

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以上です!
ここからは、あとがき的な感想です。


プログラミングは組み合わせ次第で無限大に

最近、「はじめてゲームプログラミング」という任天堂スイッチのゲームを買いました。このゲームをプレイしていると、「機能の組み合わせ」で新しいものを創る楽しさを感じます。(お子さんのいる方にオススメ!)

今回作ったアドオンも、結局はBlenderが用意した機能の組み合わせでしかありません。以下の6つを、BlenderのAPIで実現しているだけです。全部で400行にも満たないコードです。

1.木の骨子となる頂点を作成
2.スキンモディファイアで太さを設定
3.デシメートモディファイアでポリゴン数を削減
4.葉のオブジェクトを作成
5.パーティクルモディファイアで木に葉を付与
6.木と葉にマテリアルを設定

Blenderの機能の多さは随一だと思うので、その可能性は無限大です。何か面白いアイデアを思いつく人は、Pythonでのプログラミングを試してみてもいいかもしれません。

BlenderでPythonを扱うことについて以前書いた下記noteも、週に数百人のアクセスが継続的にあるようです。よろしければ読んでみてください。

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