蛙化現象⑤
これは投稿者本人の恋愛体験を記録したものである。最初から読みたい方は「蛙化現象①」からご覧ください。
前回までのあらすじ
僕は、大学を休学し幼い頃から大好きだった場所で働いていた。そこで、ある女性のお客さんに出会う。彼女の髪はミディアム、身長は僕より小さく、好きな地方アナウンサーに顔が似ていた。接客中、徐々に僕の心は彼女に惹かれていった。しかし思いとは反面、実際には2回しか会えないまま、僕はその仕事を辞める。大学復学後、野球中継を見ていると、スマホに一通の通知が入る。その送り主は、あの2回しか会えなかった彼女だった。
第一章 出会い
ギャップ
野球中継が終わった後、やっと彼女からの返信がきた。実質1時間ほどしか待っていないが、僕にはその時間が長く感じて仕方がなかった。
この会話をきっかけに、僕たちのやりとりは続いた。その結果、お互いに都合が良いということで、連絡手段をLINEに切り替えた。
彼女とLINEの交換ができると思うと、僕の日々は虹色に彩られた。当時の色は、一体どこに消えてしまったのだろう。絵の具は余っているというのに。
毎日LINEをするようになり、遂に僕たちは電話をすることになった。2回しか会ってない、しかもお客さんと従業員の立場でしか、接したことがない人と電話をする。一種の「未知との会話」というスリル感が、僕にとっては溜まらなかった。
約3週間ほど電話とLINEを続けるうちに、お互いのことを理解していった。
彼女の名前は明日香(あすか)。27歳で独身。保育士をしていて、結婚願望が強く、実は口が悪い。加えて、ここでは言えないお互いの過去も丸裸にして言った。様々な話をする中で、明日香が福岡に遊びに来てくれることが決まった。
もう毎日が楽しくて楽しくてたまらなかった。「いっそこのまま死んでもいい」とさえ思えた。まだ再開できてもいないのに。舞い上がっている一方で、冷静に自分を分析している僕も存在した。
「明日香が好きだ」
冷静な方の僕は、この気持ちに気づいていた。
この気持ちに気づいてしまっては、もうどうにも止められない。
「早く直接伝えたい」
しかし明日香が福岡に来るのは2週間後。この2週間の期間が、23歳の若造には果てしなく先の未来に感じた。
会えるまで1週間をきった、2019年12月の夜。いつも通り電話をする。外からは、近所の高校球児の冬練特有の声が聞こえる。しかしそんな声も、いざ明日香と電話すれば何も聞こえなかった。
何よりも僕は、明日香の声が大好きだ。そしてその日は、声を聞くなり自分の感情を抑えることができなかった。
「明日香?」
お互いの1日について話した後、僕はなぜか彼女の名前を呼んだ。今会話している相手は、彼女以外有り得ないはずなのに。
「なに?」
彼女はいつもの標準語で、優しく返事をした。
「あんね。」
僕は一瞬迷った。気持ちは直接告白せんとダサイと思っていたし、23年生きてきて、告白を直接しなかったことはなかったからだ。
でも今日の僕は止まらなかった。
彼女が何か話そうとするのを遮り、僕は伝えた。
「おれ明日香が好き。好きやけん付き合ってほしい。」
10秒間ほど沈黙を続け、彼女は重たい口を開いた。
「少し待ってくれる?私、次付き合う人で最後にしたいから。」
そう返事をもらって、その日の電話は終了した。
27歳女性からの保留宣言。
「俺は遊び相手のガキでしかないのか」
どうしても、そう考えしまう自分がいた。この時ばかりは、自分を信じたくなかった。
その日から一切電話することなく、再会の日を迎えた。
その日は12月21日。博多駅はクリスマスを祝うカップルで溢れていた。僕が真っ先に明日香を見つけた。彼女はまだ気づいていない。
「なんて声をかけよう。その後はなんて話そう。」
そう考えると、ここから逃げ出したくなった。その意識とは裏腹に、僕は彼女に近づいて行った。当時の緊張が、4ヶ月後には一切なくなってしまうとは知らずに。
今後も、恋愛経験を綴っていこうと思います。現在の時点では、彼女とは別れていません。しかし今後どんな関係になろうと、この過去は大切にしたいと風呂場でビビっと感じました。そこで投稿すること決めました。もし僕の友達がこの投稿を見たら、以下はご理解ください。病んでません。
今後しばらくは、このタイトルでnoteを作成していきます。
それでは続きはまた明日。
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