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夕焼けが好きな話。

季節も春が近づき、コートを手放そうか悩んでいる。
この季節はどうも期待が高い。夏の五月蠅いほどに照らす太陽ならば、逃げ場所があるのだが、春はどうもそういうわけにもいかない。
冬と春の転換期。それが嫌いだ。

夕焼けを見ようと高台へ歩くと、そんなことをしている場合かと風が吹く。
そのくせ、家に閉じこもっていると、冬ではないのだからと外出したくなる。

まあ、どんな季節であれ、僕は夕焼けを見ることは好きだ。写真を始める前から、夕焼けには背中を押されることが多い。照らされた鉄製の建物が橙に色塗られ、道路に影を落とす。公園の子供たちは帰り、静まった午後6時はどうにも寂しく、それでいて優しい。

写真を始めてから、そうお思うことが多くなった気がする。

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