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ほんの少し、僕の街を紹介する。

僕の住む街は、寂しさの属性が強い。

それは僕が生まれ育って長いせいか、元々そういう性質なのかはわからない。団地の建ち方や駅の古びた柱、無駄に広い公園のせいかもしれない。

華やかからは遠いところにあるけれど消して荒廃しない微妙なラインに、保存の衝動を駆られるのだ。

鉄塔が等間隔にそびえ立ち、その下をスカートの長い女子高生が歩いている。

夕に焼かれたマンションは影を落とし、孤独に飲まれた人々は居酒屋へ入る。

なんにもない街だけど、僕はこの街が好きだ。


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