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デジタルネイティブ世代がなぜフィルムに移行したか。

こんにちはKou Katoです。
今日は近況を日記的にまとめながら、フィルムに移行した話をしていこうと思います。

デジタルの故障

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先月メイン機の fujifilm x100f が故障してしまいました。
ファインダーが映らなくなったのと、MFがつかえなくなったので、ワタシ的には致命的な故障でした。

修理に出したところ一ヶ月は返ってこないとのこと。
どうしたものかと、しばらくフィルムで撮ることにしました。

ハーフカメラをゲット

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状態が悪くちゃんと撮れるかわからない状態だったのですが、見た感じそんなに悪いところはなく映りそうだったので、数千円でジャンクのハーフカメラ olympus pen を手に入れました。

100fと同じくらいの大きさで、たくさん撮れて、しかもレンズシャッターなので音も静か。

返ってくるまではこいつをメインにしよう。

これが今思えば、沼の入り口でした。

フィルム沼の入り口

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デジタルネイティブ世代の私ですが、フィルムで写真を撮っていくうちに、デジタルネイティブだからこそ、フィルムを使うメリットがあるなと感じました。

1.一枚の重み
2.一瞬の重み
3.光への敏感さ
4.すべて自己責任

1.一枚の重み

フィルム代が高いことは周知の事実。

36枚撮りフィルム1本 … 約1,000円
現像代 … 約600円
データ化代 … 約500円

一枚あたりなんと58.3円です。
シャッターを切るたびにチロルチョコが3個転がっていきます。

デジタルで撮っていた頃は1日歩きまわると600枚くらい撮っていましたが、先月は1日歩いても36枚、94%減でした。

枚数は極端に減っているものの、撮れ高は意外と変わらないんですよね。
一日にイベントが発生する確率が一定だからでしょうね。

まあ、フィルムにしたことでのがした瞬間も何回かありました。
その代わり、「これは撮るべきか撮らざるべきか。」とシャッターを切る前に頭を過るようになり、そのおかげか、観察眼・洞察力が研ぎ澄まされるような気がしています。

2.一瞬の重み

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デジタルで撮っているときも連写は使いませんが、フィルムでは連写もシャッターチャージもすぐにはできません
だからこそ撮り直しが効かず、1枚にかける必要性が生まれます。

デジタルでは感じなかった「一瞬の重み」みたいなものがあって、シャッターを切るにも、目の前の出来事がどう変わっていくか(洞察力)、すべてのものの配置を頭に入れる(空間把握力)感覚が少しずつ身につく気がします。

3.光への敏感さ

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購入したハーフカメラは露出計もろくに使えず、露出は勘。
日中なら「ISO100, F8, 1/250」、日陰に入れば「F5.6」、逆光なら「F11」のように頭には入っていても、撮る前に露出を考えるということすらなかったので、露光不足・露光過多を連発しました。

何本か撮っているうちに、先に露出をあわせておく事ができるようになりました。
太陽がどこにいるか、どの角度で度の強さで入ってくるか。
光を読む力も、フィルムのほうが鍛えられる気がします。

4.全て自己責任

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よく撮れてる写真だけSNSにアップしているのでわからないと思いますが、フィルムだと上の写真のような失敗をよくします。

フィルムだと、ピントも、露出も、全て自己責任。(目測式の機種だった。)
後で撮れていなかったときショックとともに反省します。

トリミングもできないので、歩くようにもなる
全て撮影の段階で条件を揃える必要があるので、集中力が桁違いに必要です。

フィルムクラウドファンディング

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フィルム沼にハマり、フィルムクラウドファンディングなるものを作りました。

簡単にいってしまえば、フィルム一本を一口として、リターンにそのフィルムで撮影した写真で構成したブック(コンタクトシートのような感覚)をお贈りするというもの。

きっかけは、先日京都駅で開催されたソール・ライター展で、コンタクトシートが公開されていたことでした。
一連の撮影の流れを見ることで、彼が何を見て、何を撮ったか、前後でどう修正したかがわかります。個人的には、作品はもちろんのこと、コンタクトシートを見れたことが一番よかったです。

これをヒントに、コンタクトシートを送るのは、需要があるのかもしれないと思いつきました。

私はもちろんフィルムで写真を撮れるのでうれしい。
送ってくれた方も失敗も含め、世界で一冊のブックが届くので嬉しい。

通常、写真を売るということは撮影した結果の価値を売るものであります。
フィルムクラウドファンディングは私が写真を撮る行為に対しての価値を売るものという点で決定的に違います。

写真を撮る人間として写真を撮る行為を肯定してくれる存在がいること以上の幸せはあるでしょうか。

本当にありがたいことに十数名の方に送っていただきまして、最近は送っていただいたフィルムで撮影しています。

もし、興味がございましたら下記リンクからお贈りいただけます。
いろんなフィルムをリストに追加していますが、最安で一本860円程度です。
メリットは、世界に一冊の小冊子が届くことと、私が一日中あるきまわって最高の瞬間を収められるように奮闘することくらいです。

LeicaM3

フィルム沼にどっぷり浸かってしまった私はLeicaに手を出しました

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もうここまで来てしまっては、沼を引き返すことは無理です。
もはやLeicaの虜です。

見た目よし。シャッター音よし。写りよし。文句なし。

x100fは修理から返ってきましたが、手放すことにしました。

最後に

デジタルネイティブだからこそフィルムで撮るっていうのは、一見バカバカしいのかもしれませんが、かなり鍛えられるので、是非。

ここから待ち受けているのは、自家現像でモノクロ・カラーともに始めようと思っています。理系大学院生なので日々実験はなれているのでできるはず。

最後に宣伝。デジタルを精算する意味で作品集を作りました。写真をはじめてから2年間で撮影した都会のストリートフォトを中心にお気に入りの写真を90枚以上収録しています。ぜひ覗いてみてください。



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